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東京不動産管理、ビル管理業務の安全確認を作業員にリアルタイム伝達する仕組みのPoCを開始

DIGITAL X 編集部
2026年9月4日

ビル管理会社の東京不動産管理は、ビル管理業務に当たる現場エンジニアの安全確認を支援する仕組みのPoC(Proof of Concept:概念実証)を開始した。危険箇所や安全確認事項を作業員に伝える仕組みを検証し、経験差によらない対応力の確保や危険箇所の見落としの抑制などにつなげる。2026年8月19日に発表した。

 東京建物グループでビル管理を手掛ける東京不動産管理が開始したのは、点検・保守などのビル管理業務に当たる作業員に対して、危険箇所や安全確認事項をリアルタイムに伝達する仕組みのPoC(Proof of Concept:概念実証)。作業員による手順の理解度や安全確認への意識の差を踏まえ、経験差によらない一定水準の対応力を確保するとともに、危険箇所の見落としや確認手順からの逸脱を抑制するのが目的だ(図1)。

図1:ビル管理業務にウェアラブルカメラを使うPoCの概要

 PoCの実施場所は、東京不動産管理が管理する「中野セントラルパーク サウス」(東京都中野区)を対象にする。ビル内の対象地点にQRコードを設置し、現場エンジニアが装着したウェアラブルカメラで読み取る。その後、現場エンジニアが携帯するスマートフォンに音声で注意喚起や安全確認事項の案内が流れ、現場でその場に応じた確認作業をうながす。

 併せて、点検作業の履歴や作業環境に関する情報をデータとして蓄積し、作業プロセスの可視化や分析に活用する取り組みも進める。蓄積したデータを作業手順の見直しや標準化、業務品質の均一化、継続的な業務改善の材料として役立てる。

 東京不動産管理は今後、PoCを通じて得られた知見を基に、対象業務や施設の範囲を拡大する方針である。併せて、作業のガイドやチャットボットに映像・音声を直接解釈するVLM(Vision Language Model:視覚言語モデル)を組み合わせる仕組みや、保守記録や測定データをAI(人工知能)サーバーに送信して報告書の自動作成につなげる仕組みの整備も視野に入れる(図2)。これらに熟練作業員の知見を組み合わせて、安全と効率を両立を目指すとしている。

図2:ビル管理サービスの4つの機能の概要

 安全管理の仕組みには、日立製作所とビル設備の保守・管理を手掛ける日立ビルシステムのデジタルサービス群「HMAX for Buildings」の中核サービス「BuilMirai」を採用した。同サービスのエンジニア向けAIサービスのうち、安全アラート機能および現場データ活用基盤を今回のPoCに適用する。

 安全アラート機能はすでに日立グループ内での運用実績があり、2025年11月14日には日立が現場技術者向け「AI Safetyソリューション」の現場適用開始を発表している。今回のPoCは、この機能と現場データ活用基盤を東京不動産管理が管理する実際のビルに適用し、外部顧客の実環境における有効性を検証する発の取り組みとなる。

 東京不動産管理によると、ビル管理業界では技術者の高齢化や人手不足が進行しており、熟練技術者が培ってきた知見や作業ノウハウの継承が課題となっている。その内点検・保守業務では、作業手順の順守や安全確認の徹底が求められているという。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名東京不動産管理
業種サービス
地域東京都中野区(中野セントラルパーク サウス)
課題熟練技術者の高齢化と人手不足による知見・ノウハウの継承や、経験の浅い作業員による安全確認・手順順守の徹底が難しくなっている
解決の仕組み現場に設置したQRコードをウェアラブルカメラを読み取り、音声での安全確認案内を流す仕組みのPoCを実施し、経験差によらず安全な現場対応と均質な作業品質を実現できるかを検証する
推進母体/体制東京不動産管理、日立製作所、日立ビルシステム
活用しているデータ点検作業の履歴や作業環境に関する情報
採用している製品/サービス/技術「BuilMirai」(日立製作所と日立ビルシステム製)、ウェアラブルカメラ
稼働時期--