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独Berlin TXL、スマートシティのエネルギー運用に向けビルの空調をデジタルツインで最適化する実証を開始
ドイツ・ベルリンの都市開発プロジェクト「Berlin TXL」を手掛ける独Berlin TXL Managementは、既存ビルの空調運転を最適化し、省エネと温熱快適性の両立を目指す実証実験を開始した。ビルの設備情報や気象、在室人数などのデータをデジタルツインに反映し、運転条件をシミュレーションする。個別ビルで得たデータや検証結果を都市レベルでも共有し、エネルギー運用の最適化につなげる。データ基盤を提供した三菱電機が2026年8月25日に発表した。
ドイツ・ベルリン北東部にある旧ベルリン・テーゲル空港跡地では、2021年からスマートシティ開発プロジェクト「Berlin TXL」が進む。このほど、都市開発事業を担う州立の独Berlin TXL Managementは、空調運転での省エネと温熱快適性を両立する運転計画の実行効果を、デジタルツインを構築して検証する実証実験を2026年9月1日に開始した(図1)。個別ビルのエネルギー運用を最適化するとともに、そのデータを都市全体のエネルギー運用に生かせるかを検証するのが目的だ。
対象施設は、空港跡地に整備された都市技術の育成拠点「Urban Tech Republic」に立地する実証棟。鉄骨造の地下1階地上7階建て、築53年を数える既設ビルである。
実証では、実証棟の構造や設備情報に加えて、現地の気象データや在室人数の推移といった実際の運用データを収集し、デジタルツインに反映する。その上で、空調の設定温度や調光率といった運転条件を、利用状況の変化に応じたさまざまなパターンでシミュレーションして、最適な組み合わせを絞り込む。導出した運転計画をビル管理システムに落とし込み、計画精度と運転結果を確かめる。
実証実験で得られた検証結果のレポートや、消費電力から算出したCO2(二酸化炭素)排出量のデータは、スマートビル側とBerlin TXL Managementの両基盤において、オープンソースのミドルウェア「FIWARE」を介して共有する。都市レベルでのエネルギー運用の最適化に向けて、個別のビルデータがどれだけ有効かも検証する。
デジタルツイン基盤の構築には三菱電機が協力し、ビルの1次エネルギー年間消費量を実質ゼロに近づけるZEB(net Zero Energy Building)技術などを提供する。同社は、神奈川県鎌倉市に4階建てビルの実証施設「SUSTIE(サスティエ)」を設置し、空調運転などに関するデータを蓄積し、運転技術の開発・研究を進めてきた。
現地での実証には、三菱電機の100%子会社である三菱電機ヨーロッパのドイツ支社が協力する。両社は、ベルリンTXLに関するパートナーシップ契約を2024年5月に締結しており、本プロジェクトはその具体的な成果の一環。SUSTIEで開発や検証してきた技術を海外の設備に応用する初の事例でもある。
提携に当たっては2024年5月17日、Berlin TXL Management CEO(最高経営責任者)のFrank Wolters(フランク・ヴォルター)氏と、ベルリン市長のKai Wegner(カイ・ヴェグナー)氏がSUSTIEを訪れ、デジタルツイン技術やスマートビル/スマートシティ基盤技術などを視察してもいる。
| 企業/組織名 | Berlin TXL Management |
| 業種 | 公共 |
| 地域 | ドイツ・ベルリン州 |
| 課題 | ビルの省エネと温熱快適性を両立し、都市全体のエネルギー運用の最適化につなげたい |
| 解決の仕組み | ビルの設備情報や気象、在室人数などの運用データをデジタルツインに反映し、空調の設定温度など複数の運転条件をシミュレーションして運転計画を最適化する実証実験を実施する。消費電力から算出したCO2排出量などのデータを共有し、都市レベルでのエネルギー最適化への有効性を検証する |
| 推進母体/体制 | Berlin TXL Management、三菱電機ヨーロッパ ドイツ支社 |
| 活用しているデータ | ビルの構造・設備情報、気象データ、在室人数、空調の運転条件、消費電力、CO2排出量など |
| 採用している製品/サービス/技術 | 実証施設「SUSTIE(サスティエ)」(三菱電機が設置)で検証したZEB技術、オープンソースのミドルウェア「FIWARE」 |
| 稼働時期 | 2026年9月1日(実証実験開始時期) |
