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住友電装、生産ラインを自律制御する工場の実現に向けマルチエージェント環境の開発を開始
自動車部品の住友電装は、生産ラインを自律的に制御する工場の実現に向け、複数のAI(人工知能)エージェントを連携させる仕組みづくりに乗り出す。第1弾として、異常の予兆を検知するAIエージェントや、熟練者の暗黙知を学ぶAIエージェントなどを開発し、実際の生産ラインで実証を進めている。2026年9月17日に発表した。
自動車用ワイヤーハーネスなどを手掛ける住友電装が開発するのは、需要予測や人員配置、物流遅延予測など役割の異なる複数のAI(人工知能)エージェントを連携する「マルチAIエージェント」環境。生産ラインを自律的に制御する工場を実現するのが目的だ。2026年8月から、その土台となるAIエージェント群の開発に着手している。
第1弾として開発するのは、(1)監査AI、(2)介入AI、(3)レビューAIの3つ。3つのAIエージェントは、いずれも実際の生産ラインで実証を進める。
監査AIは、生産ラインのカメラ映像や設備データを基に、生産ペースの低下や異常の予兆をリアルタイムに検知する。介入AIは、現場リーダーに対して状況に応じた的確な介入を促す。レビューAIは、熟練者や現場リーダーとの対話を通じて暗黙知を学び、蓄積する。
今後は、蓄積した知見を社員の教育や人材育成に環流させる。2026年度中にグローバルでの実証に着手し、2027年度中のグローバル展開につなげる計画だ。
開発はAIサービスを手掛けるエクサウィザーズと協業して進める。住友電装 社長の漆畑 憲一 氏は「より高度で自律的な課題解決システムを構築し、既存の業務プロセスの抜本的な変革と新たなビジネス価値の創出を加速させる」とコメントしている。
住友電装は、2026年に策定した「中期経営計画2028」で、AI技術の活用によってあらゆる仕事の判断力とスピードを高める「スマートファクトリー」構想を掲げる。この構想では、人と協働して柔軟に作業するフィジカルAIロボットと、生産計画の立案や異常予知などを自律的に判断・指示するAIエージェントを組み合わせ「究極の無人化ラインと、人とロボットが助け合う協働ラインによる『自律制御工場』」を目指している。
住友電装によると、熟練技術者の退職に伴う暗黙知の消失や慢性的な人手不足、海外拠点を含む技能のバラツキといった生産現場の課題がある。一方、生成AI技術の活用はオフィス業務が中心で、身体動作を伴う現場業務への適用は途上にある。
| 企業/組織名 | 住友電装 |
| 業種 | 製造 |
| 地域 | 三重県四日市市(本社) |
| 課題 | 熟練者の経験と人手に頼ってきた生産現場の判断を、人や拠点に左右されない形で維持したい |
| 解決の仕組み | 生産ラインの監視や異常時の介入、暗黙知の学習を担うAIエージェント群を連携させるマルチAIエージェント環境を開発し、AIエージェントが判断・指示を担う自律制御工場を実現する |
| 推進母体/体制 | 住友電装、エクサウィザーズ |
| 活用しているデータ | 生産ラインのカメラ映像、設備データなど |
| 採用している製品/サービス/技術 | AIエージェント |
| 稼働時期 | 2026年8月(3種のAIエージェントの開発開始時期) |