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DX時代の競争力を生むAI内製化の落とし穴、AIは開発して終わりではない〔PR〕

東大発ベンチャー・アイデミーが「modeloy」で提供する“MLOps”の価値

DIGITAL X 編集部
2020年5月22日

コンサル知見に基づくひな形で基盤整備期間を8割減

 こうした現場の課題に応えるべく、アイデミーが2020年4月に開始したサービスが「modeloy(モデロイ)」である。機械学習プロジェクトにおける運用段階に必要な機能を、これまでのAI人材教育や内製化に向けたコンサルティングで得た知見を基に機械学習モデルの運用基盤として作りあげた。

 石川氏は、「一般的なアプリケーション開発の世界では、開発と運用の溝を埋める“DevOps(開発と運用の統合)”の概念や、そのための仕組みが整備され活用されています。modeloyは、DevOpsの概念を機械学習に当てはめたもので“MLOps(機械学習モデルの開発と運用)”を可能にします」と説明する。

 modeloyが提供する機能のメインは、(1)機械学習モデルの精度の監視と可視化用のダッシュボードと、(2)機械学習モデルの再学習と現場への再配付である。機械学習モデルの構築においては利用企業が任意の環境を利用できる。開発した機械学習モデルをmodeloyに実装し運用する。

 立ち上げ期間を短縮するためにmodeloyでは、従来のコンサルティング経験に基づき、業種・業務別の利用シーンに合わせた、ひな形をアイデミーが開発し用意している。ひな形を利用することで追加開発を最小限に抑えることで、開発期間の8割減を可能にしているという。

 石川氏は「これらの機能を独自に開発しようとすれば、再学習用データの収集フローや精度監視用ダッシュボードの定義/設計などに最低でも2~3カ月はかかります。これがmodeloyなら2週間程度で完了します。工数の少なさは当然、コストにも影響します」と話す(図2)。

図2:機械学習モデルの運用基盤である「modeloy」の利用メリット(出所:アイデミー)

 機械学習モデルの再学習/配布機能では、ドラッグ&ドロップ操作でモデルを配布したり更新したりができる。石川氏は、「機械学習モデルの運用環境としては、現場での、よりリアルタイムな処理を可能にするエッジコンピューティングを想定しています。生産現場が絡む案件では、十分なインターネット環境が用意されることは稀にもかかわらず、低遅延が求められるケースが多いのです。こうしたことにも開発/PoC段階では、なかなか気づき難いポイントです」と指摘する。

 modeloyの活用方法として石川氏は「プレ運用フェーズ」の採用を推す。具体的には、PoCフェーズ後に本番環境を見据えた小規模システムを実際に運用し運用における仕組みの不備や問題点の抽出、修正を短期間に繰り返す。「運用で利益を生み出せるか」「日次でデータを増やせるか」「精度の低下に気づけるか」などを確かめる(図3)。

図3:PoCと実運用の間に「プレ運用フェーズ」を設けることも可能になる(出所:アイデミー)

 石川氏は、「プレ運用という運用を前提としたスモールスタートの手法により、問題点と現実的な落としどころをできる限り早期に見つけ出せれば、本番運用に円滑につなげられます」と話す。

全社的なAIリテラシーの底上げが不可欠に

 modeloyを利用することで企業のAI内製化は今後、どのように進展するのだろうか。AI人材の獲得競争もあれば、AI人材を外部に求める動きもある。

 この点について石川氏は、「完全な内製化を目指すのか、外部に委託する場合もどの部分を委託するのかなどは企業ごとに考え方は異なるでしょう。AIに特化したベンチャー企業などパートナー足る企業も増えています。ただ、いずれのケースでも、AIリテラシーを全社レベルで底上げしなければ、AIによる競争優位性は生み出せません」と断言する。

 なぜなら「AIの活用では、機械学習モデルを開発するための知識以上に、自社ビジネスとAIの関係を正しく理解していなければなりません。またAIを正しく機能させるためには、データの何が大切かを正しく理解する必要もあります。AI活用が浸透すればするほど、運用現場でのAIリテラシーが重要になる」(石川氏)ためだ。

 こうしたAIリテラシー教育に向けては、アイデミーが創業時から手がけてきた個人向けeラーニングサービスの「Aidemy」や、企業における体制作りなども包含する「Aidemy Business Cloud」がある。AIの初歩から実際の開発までに必要なカリキュラムにより、関連する種々の部門のスタッフが、それぞれの立場で必要な知識を身に付けられるという。

 石川氏は、「AIを企業が最大限に活用するためには、人材の育成、課題の抽出、課題を解決するAIの試作、PoC、そして実運用までのステップを経なければなりません。当社は、法人向けサービスにModeloyを加えたことで、各ステップを一気通貫で支援できるようになりました。プロジェクトに参画するAIベンチャー企業などとの連携支援も可能です」と力を込める。

 2020年4月のリリースから間がないmodeloyには、すでに問い合わせが継続的に寄せられており、早くも機能強化に着手しているという。石川氏は「ものづくりを得意とする日本企業においては、IoTデバイスとの通信環境が十分に機能しないなど現場特有の課題も少なくありません。日本発のmodeloyだからこそ、そうした日本企業の現場が求める機能に正面から対応しできるのも強みです」と話す。

 AIへの期待が高まる中、運用段階を視野に入れた人材育成や組織作りに取り組むことが、企業の競争優位性を大きく左右することになりそうだ。

お問い合わせ先

株式会社アイデミー

https://aidemy.co.jp/

modeloy

https://www.modeloy.ai