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サブスクリプション(サブスク)

アルサーガパートナーズ DX用語集チーム
2021年7月30日

英語表記  :Subscription
中国語表記 :订阅(dìng yuè:ディンーユエ)

重要性 :★★

定義

定期的に料金を支払うことで製品/サービスを継続的に利用できるビジネスモデルおよび、その契約形態。契約期間や料金体系の設定などにより、定額制や「使い放題」など様々な形態でのサービス提供が可能になる。雑誌の定期購読(サブスクリプション)に由来する。「サブスク」と略される。

概要

 サブスクリプションは、定義のとおり、様々な料金体系や製品/サービスの提供形態を生み出せます。一般的には「定額制サービス」とほぼ同じ意味で使われているケースが多く、近年は「読み放題」「聞き放題」など“使い放題”をうたうサービスも増えています。

 定額制サービス自体は、特に目新しくはありません。例えば新聞は定期購読により毎日、各家庭にまで届けられています。会員制のサービスや、毎月テーマに合わせた商品が宅配される頒布会といったビジネスモデルも以前からありました。

 サブスク型の利用者にとってのメリットは、利用開始時の初期コストが低く、レンタルやリースよりも柔軟性が高いことです。例えば、使い放題のサービスが増えている音楽や映画は、かつてはCD-ROMやビデオテープ/DVDなどを購入する必要がありましたが、デジタル化が進んだ現在はネットワーク経由で、好きなときに好きな作品を視聴できます。

 一方、サービスの提供者のメリットは、定期的な収入が見込めること、利用者の利用状況や意見などを把握しやすく、そのフィードバックを商品/サービスに反映できること、利用者と長期的な関係を築けるなどがあります。

 もっとも、これらメリットを得るためには、UX(User Experience:顧客体験)を第1としたサービス設計や、利用状況などのデータ分析結果を製品/サービスに早期に反映させる仕組みなどが必要になります。単に課金体系を定額制に変更するだけでは成功しないでしょう。

 サブスクリプションが注目される背景には、上記のように顧客の関心がモノの“所有”からサービスの“利用”へとシフトしていることに加え、各種機能の実現方法が“ハードウェア”から“ソフトウェア”へシフトしていることがあります。

 スマートフォンに象徴されるように、様々な製品が今、ハードウェアはそのままに、基本ソフトウェア(OS)やアプリケーションを更新することで、機能をアップデートできるようになってきています。米テスラのEV(電気自動車)などはソフトウェアで自動運転の機能を高められ、そのアップデートに課金しています。

 こうした変化はまさにデジタルトランスフォーメーション(DX)だと言えます。それだけにサブスクリプションは、あらゆる企業/サービス提供者にとって無視できないビジネスモデルになったのです。

 ちなみに、コンピューターのソフトウェアも同様に、かつてはCD-ROMなどに納められたパッケージを購入することで利用権を取得する「買い切り方」が一般的でした。それも今は、毎月の利用料金を支払ってソフトウェアの機能を利用する形態が普及しています。契約プランに応じて利用できるソフトウェアの機能が変化します。

 ソフトウェアの利用モデルの先鞭を付けたのは米Salesforce.comです。1999年にSFA(営業支援システム)の機能をネットワーク経由で提供するベンチャー企業として創業しました。その後、クラウドコンピューティングの普及に伴い、多くの企業がサブスク型サービスを導入するようになりました。

 個人も対象にしたソフトウェアのサブスクへの切り替えで成功したのが米アドビです。従来の買い切り方をサブスク型の「Creative Cloud」に転換し大きく売り上げを伸ばしました。多くのベンダーがサブスク型へ切り替える契機になったといわれています。

アルサーガパートナーズ DX用語集チーム

リーダー:山川 信之シニアコンサルタント、中国語監修:胡 文軒ディレクター