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DMBOK(Data Management Body Of Knowledge。ディンボック、ディーエムボク)

アルサーガパートナーズ DX用語集チーム
2021年10月11日

英語表記  :DMBOK(Data Management Body Of Knowledge)
中国語表記 :数据管理知识体系(shù jù guǎn lǐ zhī shí tǐ xì/シュージュグアンリージシーティーシー)

重要性 :★★

定義

データマネジメントに関する知識体系。米DAMA-I(Data Management Association International)が策定し、その実態となる書籍『The DAMA Guide to The Data Management Body of Knowledge』を刊行している。最新版は2017年7月発行の第2版。DAMA-Iは、DMBOKに基づくデータマネジメントの国際資格「CDMP(Certified Data Management Professionals)」を認定してもいる。

概要

 デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みで生まれる価値の根源はデータです。それだけに、質の高いデータがなければ、良質な結果は得られません。その質の高いデータを組織に競争力をもたらす資産として、適切に維持・管理するために必要な知識や考え方、手法などをベストプラクティスとしてまとめ上げたのがDMBOKです。

 DMBOKの実態はベストプラクティス集となる書籍です。2011年に第1版が、2017年に第2版が刊行されました。第2版では、データマネジメントに関する知識領域を11にまとめています(日本語版は『データマネジメント知識体系ガイド 第二版』、日経BP)。

 11の知識領域と、その主な取り組みは以下の通りです。

・データガバナンス:組織がデータを適切にマネジメントするために統制する
データアーキテクチャー:抽象的に表現することで、組織にある大量データを理解できるようにする
・データモデリングとデザイン:ER図(Entity-Relationship Diagram:実体関連図)のような手法を用いてデータの中身とデータ間の関係性を整理する
・データストレージとオペレーション:データの保存方法を定め、可用性・完全性を担保し、処理性能を管理する
・データセキュリティ:データの盗難や漏洩、不適切な編集や削除を防ぎ、安全性を担保する
・データ統合と相互運用性:複数のデータを組み合わせて活用するための統合手段を提供する
・ドキュメントとコンテンツ管理:データに関するドキュメントを定義し、コンテンツを適切に作成・更新する
・参照データとマスターデータ:組織内の複数のシステム、業務で使われるマスターデータを適切に作成・更新する
・データウェアハウスとビジネスインテリジェンス:組織内にある様々なデータを使い易い形で収集し、示唆を得やすいツールを提供する
・メタデータ:データの出所・カラム名称など、データ活用を支援するデータを整備・更新する
・データ品質:データ品質を定義し、測定・評価し、質を高める活動を行う

 経営に価値をもたらせるだけのデータの質を確保するには、上記のように広範囲に渡る取り組みが必要です。ただシステムのアプリケーションや、その成果は目に見えやすいのに対しデータマネジメントの取り組みは、可視化が難しく、その重要性やコストへの認識が高くないのが現状でしょう。

 結果、データマネジメントのためのノウハウは広く浸透していません。DXへ取り組む中では、DMBOKに則ったデータマネジメントに継続に取り組み、組織としてのデータマネジメントレベルを高める必要があります。

 データマネジメントに取り組む際は、データマネジメントの成熟度を測るアセスメントテストを実施すると良いでしょう。アセスメントテストでは、第2版が言及する11の知識領域において、組織において特に弱い領域を明確にしたうで、その弱い領域から改善していきます。改善による一定の成果が出れば、改めてアセスメントテストを実施し、最も弱いとされた領域の改善に取り組むのです。

 データマネジメントの改善に特効薬はありません。地道なアプローチを継続することがデータの質を高めるためのポイントです。

アルサーガパートナーズ DX用語集チーム

リーダー:山川 信之シニアコンサルタント、中国語監修:胡 文軒ディレクター