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スマホ画像から豚の体重を推測するアプリ、伊藤忠飼料とNTTテクノクロスが開発

DIGITAL X 編集部
2017年9月28日

豚の体重をスマホで撮影した画像から推測するアプリケーションを開発したと伊藤忠飼料とNTTテクノクロスが2017年9月20日に発表した。2018年4月から伊藤忠飼料の販売ルートで提供を始める。

 開発したアプリケーションは「デジタル目勘(めかん)」。タブレットやスマートフォンにインストールし、豚を撮影するだけで体重を推測する(写真)。熟練の養豚業者は豚を見ただけで体重を高い精度で推測でき、これを「目勘」と呼んでいる。この目勘の技術を誰もが利用できるようにするのが狙いである。

写真:「デジタル目勘」による豚の体重を計測している様子。アプリケーションをインストールしたスマホやタブレットで豚を撮影すればよい

 豚の体重は出荷後の格付けを大きく左右する要素の1つ。出荷後の豚は、「枝肉重量」「背脂肪の厚さ」「外観」「肉質」などにより5等級に格付けされ、価格が決まる。うち重量は等級ごとに規定されており、重すぎても軽すぎても評価が下がるという。豚の体重を正確に把握できないと、養豚農家が想定する格付けと実際の格付けが、かい離し収入が見込みより低くなることがある。

 ただ養豚農家は、1度に大量の豚を出荷するため、一頭ずつ体重を体重計で計ることは時間や労力がかかる。体重を自動計測するシステムもあるが、導入には相応の初期投資が必要なシステムが多いという。

 これに対し、デジタル目勘なら、アプリケーションをインストールしたスマートフォンやタブレットで豚を撮影するだけで体重を推測できるため、出荷時に収入をある程度予測できるようになる。

 デジタル目勘は、NTTテクノクロスが持つ画像認識技術を組み込んだ独自の計測アルゴリズムで実現した。同アルゴリズムの開発において、養豚に関するノウハウを持つ伊藤忠飼料が協力した。同技術についてNTTテクノクロスは特許を出願しているという。

 利用料金は、端末1台当たり月額1万5000円から。複数台で撮影するときは台数分の費用がかかる。