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クルマなどの現在位置をリアルタイムに把握できるサービスを開発、オランダのHEREと三菱電機が提携
自動車などの現在位置を高精度かつリアルタイムに把握するためのサービスを開発するために、オランダのHERE Technologiesと三菱電機が提携した。それぞれが得意とするテクノロジーを組み合わせることで実現する。両社が2017年10月27日に発表した。HEREは、自動運転のための地図データ提供分野において、独BMWや独アウディなど大手自動車メーカー各社が出資するベンチャー企業である。
両社が開発するのは、車両の現在位置を高精度かつリアルタイムに把握できるサービス。事故や渋滞が発生した際に、どの車線を走行すべきかといった情報を提供するという。
これに向けHEREが提供するのは、自動運転車などを想定した高精度な地図データの開発技術。すでに地図データだけでなく、交通規制や渋滞などのリアルタイム情報を重ねて提供するサービス「Open Location Platform」も提供している。
一方の三菱電機が提供するのは、現在位置を特定する技術である。GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)の衛星信号を受信し、現在位置を高い精度で検知する「高精度ロケータ」の開発を進めている。高精度ロケータは現在位置を、GNSSの信号だけでおよそ1.5mの精度で特定できる。これに、日本が配置を進めている準天頂衛星の補強信号も受信すれば、精度はおよそ0.5mにまで高められる。
Open Location Platformと高精度ロケータを組み合わせ、HEREの地図データを高精度ロケータの測位精度によってメンテナンスする。高精度ロケータから得られる位置データを地図データと比較することで地図データを最新の状態に保ちたい考えだ。
開発するサービスは、まずは北米とヨーロッパを対象に提供する予定である。今後は、車載機器だけでなく、さまざまな領域で高精度な地図データを活用したサービスの提供を目指し協力していく。北米とヨーロッパ以外の地域への地図関連サービスの提供は、他産業への応用について研究した後になるとしている。