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独DHL、医療機器メーカー向け在庫管理と即日配達のサービスを開始

DIGITAL X 編集部
2017年10月30日

ドイツの物流大手DHLは医療機器を対象にした在庫管理代行と即日配達のサービスを開始すると2017年10月18日に発表した。医療機器メーカーは各地に分散している在庫を集約できると同時に、ユーザーである医療機関が余剰在庫を抱える必要がなくなるという。

 医療機器メーカーは現在、商品在庫を分散配置することで医療機関からの急な納品依頼に応えようとしている。医療機関も必要な医療機器が利用できないという事態に備え自身でも余剰在庫を抱えている。結果、商品の総在庫数や在庫場所が分かりにくいうえに、医療機関には余剰在庫というコスト負担を敷いている。医療機器メーカーの営業担当者は、医療機関を定期的に訪問し、余剰在庫数を確認する必要もある。

 DHLが医療機器メーカー向けに提供するサービスは、分散配置していた在庫をDHLが管理する物流センターに集約したうえで、医療機関からの注文に対し即日で配送するというもの。医療機関が持つ余剰在庫を不要にする。メーカーの営業担当者は余剰在庫数を確認する必要がなく、その時間を担当医との関係構築や関係強化に使えるようになる。すでに数カ国で世界的な大手医療機器メーカーが利用しているという(写真1)。

写真1:独DHLが医療機器メーカー向けに提供する新サービスでは、医療機関の要望に応じて必要な医療機器を即日で配送する(提供:DHL)

 DHLは同様のサービスを電子機器メーカーなどに向けて提供しており、精密機器を扱うための専門知識やノウハウを蓄積してきた。医療機器を取り扱うために必要な専門知識も蓄積できたことから新サービスを投入した。世界各国の適合認証を取得したDHLの物流ネットワークを利用する。

 医療機器メーカーは現在、高齢化に伴う比較的活動的な高齢者層の増加により、医療機関からの需要が拡大している。一方で医療機関からの値下げ圧力も強くなっている。DHLは新サービスを、医療機器メーカーが業務コストを削減しながら、安定供給に応えるための仕組みとして開発したとしている。