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AR/VR関連の世界市場規模は2021年には18兆円超に、IDC調査

DIGITAL X 編集部
2017年12月27日

AR(拡張現実)/VR(仮想現実)の企業向け市場は急成長し、2021年には18兆円規模にまで達する。調査会社のIDC Japanが予測した。今後は、さまざまな業種でAR/VRを利用する動きが広がるという。

 2017年のAR(Augmented Reality:拡張現実)/VR(Virtual Reality:仮想現実)関連の世界市場の規模は、IDC Japanの予測によれば、91億2000万ドル(1兆305億6000万円、1ドル=113円で換算。以下同様)。2018年には前年比95%増の178億ドル(2兆114億円)まで伸び、2021年には1593億ドル(18兆9億円)にまで成長する。2016年から2021年までの年複利成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は98.8%で推移する。

 企業向け市場では、小売店舗での展示と、オンラインショップでの展示にAR/VRを利用する例が最も多くなる。この分野の市場規模は2018年時点では9億5000万ドル(1073億5000万円)ながら、2021年までの5年間で大きく成長する。特にオンラインショップでの展示用途の市場は、2017年から2021年までの5年間のCAGRが225%にも達する。

 その他の応用例としては、製造・資源エネルギー業界における現場での組み立てや安全管理、製造のトレーニング、設備のメンテナンスが挙げられる。公共インフラ関連で、インフラ整備と政府によるトレーニングへの応用が増える。ほかにも表1のような用途が多くなる。

表1:国内のAR/VR市場における、2017年~2021年のCAGRのトップ5と、2021年の市場規模
順位用途CAGR2021年の市場規模
1位オンラインショップでの展示528.6%2649万ドル
2位VRを利用した製品開発158.4%2896万ドル
3位AR/VRを利用したプロジェクト管理129.3%2479万ドル
4位製造業におけるトレーニング86.1%4032万ドル
5位設備のメンテナンス67.9%2581万ドル

 IDCは、今後12~18カ月間で多くの開発者がAR/VRが持つ能力を理解し始めると予測する。業務向けの商用AR/VR機器とソフトウェアを開発する動きが急速に活発になっているからだ。

 地域別に見ると2018年に最も市場規模が大きくなるのは、アメリカの64億ドル(7232億円)。それに、日本を除くアジア太平洋地域の51億ドル(5763億円)、ヨーロッパ・中東・アフリカ地域の30億ドル(3390億円)が続く。

 日本では、製造業向けのAR/VR市場は、2017年から2021年までの間にCAGR70%超の勢いで成長するものの、他の地域と比べると教育分野への導入が大きく遅れる。IDCは、「AR/VRの体験は、言葉での説明が極めて難しいため、とにかく多くの人に使ってもらうことが重要だ」と指摘する。