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介護施設での生活音から異変を検知するサービス、富士通が提供へ
介護施設における生活音から入居者の異常を検知して介護スタッフに知らせるサービスを富士通が2018年1月下旬から開始する。居室に設置した端末で生活音を収集する。2018年1月9日に発表した。
1月下旬に開始するのは「居住者の見守りソリューション リモートモニタリングサービス」。高齢者が暮らす住宅向けに提供していた「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE 居住者の見守りソリューション」を介護施設向けに改変したサービスである。
介護施設では一般に、スタッフの定期的な巡回でしか入居者の異常を把握できない。異常を早期に発見するために巡回の頻度を高めるには、人手が必要になる。しかし、介護業界は慢性的な人手不足に陥っており、簡単にはスタッフを増員できないのが現実だ。新サービスでは、入居者の居室に「リモートケアベース」と呼ぶ端末を設置し、生活音や温湿度を検知する。データ分析の結果、転倒事故などの可能性があれば介護スタッフに通知する(図1)。巡回回数を減らせ、介護スタッフにかかる負担を軽減できるため、少ない人員でも業務をこなせるようになるとしている。
さらに、咳やいびき、呼吸の乱れなど、居住者の日々の変化を分析し、健康状態をWebアプリの画面に表示する機能も提供する。介護スタッフは、このデータから入居者の健康状態を把握し、居室環境に合わせたアドバイスを提供できる。
居住者からの緊急コールに対応するサービスをオプションで提供する。居住者がリモートケアベースの「緊急」ボタンや「相談」ボタンを押すと、管理事務所のPCや介護スタッフのスマートフォンに直接つながり、通話できるようになる。介護スタッフではなく、看護師が24時間365日常駐する富士通グループのコールセンサーに転送することもできる。