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災害発生時の支援計画を神戸市のベンチャー4社が発表、LPWAを使いネット環境を確保へ

DIGITAL X 編集部
2018年1月19日

神戸市に拠点を置く三木美研舎、KURASERU、うむ、Momoの4社が、LPWA(Low Power Wide Area)を活用した災害時支援計画を発表した。2018年3月から7月にかけて、災害時支援に使用するシステムを試験運用を兼ねて実証実験する。2018年1月17日に4社が発表した。

 4社が提供する支援策は大きく3つある。1つは、災害時限定で独居老人や高齢者の安否情報と位置情報の提供。KURASERUが提供する。同社は介護施設向けに介護カルテ作成支援サービスを提供しており、そのデータを提供する。

 2つ目は災害時に農家から募集した水や食料の提供。うむが担当する。同社は自然栽培や自然農法の農家を支援するWeb通販サイトを運営しており、同社と契約している農家から水や食料を募集し、災害時に提供する。

 最後は、自社車両を使っての避難所への運搬支援である。三木美研舎が担当する。同社の業務用車両はすでに災害支援登録を済ませており、その車両と運搬支援人員を提供する。

 これら支援活動のインフラとして、災害時も分断や混雑の恐れがないLPWA(Low Power Wide Area)無線通信を使ったネット環境を構築する。神戸市内全域をカバーするLPWA通信網を構築し、災害時の通信ネットワークとして利用する。Momoが担当する。

 無線通信規格には、見通しでおよそ1.5kmまで通信できる多段通信(マルチホップ通信)に対応するWi-SUNを採用する。基地局用地は三木美研舎が提供し、自社の48拠点と協力企業の30拠点30に基地局を設置し、神戸市内全域をカバーする。

 KURASERU、うむ、三木美研舎の3社は、Momoが提供するIoT(Internet of Things:モノのインターネット)基盤「Pallete IoT」の利用企業である。非常時には各社の事業データも交換する。4社は、災害時の支援体制を強化するために、新たな参加企業も募っている。