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ビットコインへの不正を調査するためのツール、オランダのBitFuryが発表

DIGITAL X 編集部
2018年2月5日

仮想通貨に対する不正行為が話題になるなか、ビットコインを対象にした不正調査ツールが登場した。オランダのBitFuryが開発する「Crystal」が、それ。ブロックチェーンの記録をたどり犯罪の形跡を見つけ出す。2018年1月30日に発表した。

 オランダBitFuryの「Crystal」は、ブロックチェーンに記録されている情報に加え、ブロックチェーンの利用者が集まる掲示板や、ブロックチェーンに関するWebサイトからも情報を収集し、ビットコインのアドレスや不正を犯した組織に関する情報を取得する。これらのデータから不正を犯す組織を突き止める。

 ビットコインへの不正では、複数のビットコインアドレスを利用し、一度の取引で資金を分散させる方法がある。このような場合、捜査員が組織を特定するのが難しい。Crystalは、同一人物が持つアドレスをまとめるアルゴリズムを搭載しており、犯罪者が複数のビットコインアドレスを使用したとしても、組織を特定し、資金の流れを明確にする。

 犯罪者が盗み出したビットコインを法定通貨に交換して引き出した形跡を短時間で発見する機能も持つ。そのような操作では通常、担当者が何日間もかけて怪しい記録や犯罪者の行動をたどる必要があるが、非常に長い時間がかかる。Crystalでは、数時間で犯罪者が金銭を引き出した場所や交換サービス業者の位置を突き止められる。処理が完了すれば担当者にメールで通知する。

 ビットコインの個々の取引が犯罪につながるものかどうかの可能性を評価し、点数を付ける機能もある。非合法なトレーダーや犯罪者、および信頼できる関係者の相互関係を追跡・分析し点数化する。警察などの捜査官は、その点数を見て最も怪しい取引の操作に集中すればよい。特定のアドレスのビットコインが不法行為に関わっている可能性も評価し点数を付ける。

 こうした評価結果はグラフなどの形で表示し、捜査の報告書作成に利用できる。Crystalが出力したデータは、他のソフトウェアでも使用できる。