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複数工場の”すきま時間”を集めて中ロットのプリント基板を製造、アレイがサービス開始

DIGITAL X 編集部
2018年3月9日

複数の工場の”すきま時間”を組み合わせることで、プリント基板を短納期で製造するサービスが登場した。プリント配線基板の設計・開発を手がけるアレイが2018年3月1日に開始した。中ロットまでを短期かつ安価に製造する。2018年3月5日に発表した。

 アレイが開始したのは「中ロットバンキー」サービス。1〜5平方メートルまでの中ロットのプリント基板を6日~10日で製造して納入する。生産ラインを、複数の試作品工場の”スキマ時間”を一定量ずつ提供を受け、それらを組み合わせることで仮想的に作り出すのが特徴。生産能力を提供する試作工場にすれば、通常の生産に影響が出ない範囲で受注量を増やせるため、生産設備などの固定費はそのままに工場の稼働率を高められることになる。

 アレイによれば、プリント基板の試作品作りでは、短納期だと単価が高く、単価を下げるために量産すると納期が伸びてしまう。中ロットバンキーでは、複数社の余剰能力で生産することで、短納期と低価格化を実現する。また生産が国内工場のため、品質やトラブル対応の面でも安心できるとしている。

 短納期・低価格の前提として「Vカットシート面付け」を自動計算し、基板単価が最小になるよう提案する。大きな基盤に生産したい基盤を複数枚割り付けるもので、製造時には基盤の境目に上下からV字型の切り込みを入れ、容易に分割できる形で納品する(図1)。

図1:100×120mmの基盤を1枚1枚製造した場合(左)と、大きな基盤に割り付けた場合(右)の単価の違い