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第3回「JEITAベンチャー賞」、ABEJAなどIoT/CPSに向けた企業が受賞

DIGITAL X 編集部
2018年3月23日

電子情報技術産業協会(JEITA)が2018年3月14日、第3回の「JEITAベンチャー賞」の受賞企業を発表した。JEITAが注力するIoT(Internet of Things:モノのインターネット)/CPS(Cyber Physical System)分野への関与度を評価しており、AI(人工知能)ベンチャーのABEJAなどソフトウェア技術に強い企業が多数選ばれている。

 第3回「JEITAベンチャー賞」を受賞したのは、アスター、ABEJA、Hmcomm、ZenmuTech、PGV、フォルテの6社。このうちアスターは独自のモーター用コイル技術の評価というJEITAの“王道”分野での受賞である。だが、残り5社はソフトウェアやソリューションが評価されたベンチャーである。

 ABEJAは、AI(人工知能)による画像やビッグデータの分析を強みにするベンチャー企業。小売業者に向けて、顧客数や年齢、店内での動線などを導き出すほか、天気や地理情報を組み合わせた分析などを提供している。データに基づく経営を、ITの専門家がいない企業でも実践できる点など評価されている。

 Hmcommは、産業技術総合研究所が開発した音声認識技術を実用化した企業。顧客窓口やコールセンターにおける会話のテキスト化や、無人での音声受付といったサービスを提供している。車両や工場など騒音が激しい環境でも認識性能が高く応用範囲が広く、今後の「音声ビッグデータ」に向けたリソースの提供源になるであろうことが評価されている。

 ZenmuTechは、セキュリティ分野のベンチャー企業で「秘密分散処理」という独自技術で情報漏えいを防止する。秘密分散処理は、データを細かく分割し、それぞれを暗号化するとともに、分散して保存する仕組みで、情報漏えいが事実上不可能になる。IoTなどを安心して進めるための基盤になる点が評価されている。

 PGVは、パッチ式の脳波センサーを開発するベンチャー。同センサーを使って家庭でも「雄脳のヘルスケア」ができるようなサービスを展開する。同社の脳波センサーは大阪大学が開発した技術をベースに、計測精度が高いため、応用範囲が広い点が評価された。

 フォルテも音に関するベンチャー企業。骨伝導ヘッドセットなど、騒音環境下での音声処理技術などを開発している。青森発で、自治体や観光業者と連携したサービスの実証に取り組んでおり、地方から成長を目指すベンチャー企業の模範になると評価されている。

 JEITAは政府が掲げる「超スマート社会(Society5.0)」の実現に向けIoT/CPS分野への取り組みに力を入れている。今回の結果についてJEITA会長の長榮 周作 氏は「AIやセキュリティ分野の企業も受賞し、これまで以上に多種多様な顔ぶれになった。Society 5.0の実現には、業種・業界を超えた各社の共創が求められる。JEITAベンチャー賞の受賞企業と、JEITA会員企業による共創をうながしたい」と述べている。

 なおJEITAベンチャー賞の受賞企業は、JEITA への入会を希望する場合は、協会会費を2年間免除される。