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『Impress DX Awards』2017年度の総合グランプリはデンソーが受賞

受賞者数は全5部門で合計21社/団体に

志度 昌宏(DIGITAL X 編集長)
2018年3月22日
『Impress DX Awards』総合グランプリを受賞したデンソー デジタルイノベーション室のメンバーと審査員の有識者

デジタルトランスフォーメーション(DX)のリーダーを選ぶ『Impress DX Awards』(主催:インプレス)の授賞式が2018年3月20日、東京・六本木ヒルズで開かれた。全5部門のグランプリ/準グランプリの受賞者から選ばれる総合グランプリはデンソーが受賞。総合準グランプリはコマツ/ランドログと、ソラコムがそれぞれ受賞した。

総合グランプリは製造業をシリコンバレー流で改革するデンソーに

 『Impress DX Awards』は、デジタルテクノロジーを使った新たなビジネスモデルや社会サービスの実現に向けた取り組み、および、それを実現するための製品/サービスを対象に審査・表彰するもの。インプレスの各種メディアが2017年1月1日〜2018年1月末までに掲載したデジタルトランスフォーメーション(DX)関連記事およそ1万5000件に、2017年12月20日から2018年1月末までの公募期間への応募20件強を加え、5部門の受賞者を決定。その中から「総合グランプリ」1件と、「総合準グランプリ」2件を選んだ。

 総合グランプリに選ばれたのは、デンソーの「デジタルイノベーション室の取り組み」。ビジネスとテクノロジーを同時並行で考えるために、シリコンバレー流の手法を実践するチームを立ち上げ、半年間で実際の成果を上げている。DXに向けては、企業の風土や文化の変革が不可欠だとされるなか、製造業であるデンソーが、ソフトウェア業界の手法を積極的に採り入れている点が高く評価された。

 デジタルイノベーション室・室長の成迫 剛志氏は受賞コメントとして「中から見たデンソーは、高度成長期のままにとどまっている。デジタルイノベーション室は常に変革のスピードアップを後押ししている。まだスタートしたばかりのチームだが、日本の製造業全体を変えていけるよう、活動を続けたい」と述べた(写真1)。

『Impress DX Awards』総合グランプリを受賞しコメントするデンソー デジタルイノベーション室・室長の成迫 剛志氏(中央)

 総合準グランプリには、コマツ/ランドログによる建設業界向けプラットフォーム「LANDLOG」と、ソラコムの「SORACOM Air for LoRaWAN」。LANDLOGは、コマツが独自展開してきた建設機械のIoTプラットフォームをオープン化し、建機だけでなく建設現場全体を対象にしたサービス提供を目指すもの。日本発の業界向けプラットフォームとしての先駆性が評価された。

 SORACOM Air for LoRaWANは、IoTのためのネットワークとして注目が高まる「LPWA(Low Power Wide Area)」を構築するためのサービス。ソラコムが展開する種々のサービスと相まって、より柔軟なIoTネットワークの構築を牽引している点が評価されている。

 コマツでICTソリューション、マイニング事業を管掌する取締役 専務執行役員の黒木 和宣氏は「モノからコトへの変革を進めるにはオープン化は不可欠だった。LANDLOGは、まだ枠組みを作っただけだが、そこに踏み出した点が評価されたと受け取っている。今後のサービス展開をさらに加速させたい」と受賞コメントを述べた。ソラコムの玉川 憲 代表取締役は「IoTの実践例は確実に増えている。海外展開を含め、さらなるDXの実現をサポートしていきたい」とした。