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サプライチェーンにデジタル技術を十分に活用できている企業は5%、独DHLの調査
先端技術を導入する上での障害についても、ハードウェア技術とデータ分析技術で回答傾向が大きく異なる。ハードウェア技術導入の障壁として最も多かったのは「信頼性」の68%。続いて「従業員などによる変化に対する抵抗」が65%、「投資効率の悪さ/投資回収までの期間の長さ」が64%だった。42%が「先端技術を取り入れる必要を感じない」としている。
データ分析技術の導入では、「組織や部署単位でデータが分散しサイロ化している点が障害になる」と「社内に残るレガシーシステムが障害になる」が、それぞれ78%もある。「社内にデータ分析技術を使いこなせる人材がいない」が70%、「組織がバックアップしてくれない」が66%、「投資回収までの期間の長さ」が60%、「変化に対する社内からの抵抗」が59%だった(図5)。
障壁を乗り越えて、先端技術を導入するにはどうすべきかという問に対しては、63%が「サプライチェーンの一部から導入を始める」を挙げた(図6)。倉庫管理など一部の業務に絞って先端技術を導入してから、全社に導入する方法を検討するという考え方である。
それに、「社外の協力企業の助けを借りる」という回答が55%で続く。以後は、「導入前調査をより詳細に実施して、導入後に期待できる効果を量的に見積もる」が46%、「サプライチェーンのデジタル化戦略をさらに発展させる」が42%、「導入前に試験を実施して、技術への理解を深め、ほかの方法を採用する可能性を検証する」が38%だった。導入前調査をより詳細に実施すると、導入前試験を実施するという回答が多かったことから調査報告書は、「アンケート対象となった企業のほとんどが導入初期あるいは開発段階にある」と推測している。
先端技術導入で期待する効果については、コスト削減と生産性向上を挙げる回答が最も多い(図7)。ハードウェア技術では82%、データ分析技術では77%だった。続いて、顧客サービス改善がハードウェア技術で72%、データ解析技術で69%。サプライチェーンの高速化がハードウェア技術で71%、データ解析技術で67%になった。
今後3年間を考え、ハードウェア技術とデータ分析技術のどちらがサプライチェーン改善により貢献するかについては、データ分析技術を挙げるのが66%、ハードウェア技術を挙げるのは31%だった。