• News
  • サービス

急病人をカメラとAIで検知し救命活動に加われる人をスマホで募集、三井不動産らが東京・日本橋で実証実験

DIGITAL X 編集部
2018年3月28日

「急病で倒れた人をいち早く見つけ出し、早期の救命活動を可能にする」--。こんな実証実験が東京・日本橋で実施された。カメラ映像をAI(人工知能)で分析し、巡回中の管理要員のほか、近くにいる人たちにも救命活動への参加をうながす。実験に参加した三井不動産、シスコシステムズ、Coaidoが2018年3月20日に発表した。

 実験は、東京・日本橋のショッピングモール「コレド室町1」で実施した。急病人役の担当者が入口近くで倒れ、それを撮影した防犯カメラの映像をAI(人工知能)が分析し、防災センターに通知した(図1)。

図1:防犯カメラの映像をAIで分析し、急病人の発生を検知する

 通知を受けた防犯センターは、巡回中で現場近くにいる管理要員に急病人の発生を伝える。管理要員は、ビデオ通話サービス「Cisco Spark」(シスコ製)のスマホ用アプリを携帯しており、無線LAN信号から巡回中の場所が防犯センターで把握できる(図2)。ここから最寄りの管理要員を指定した伝達が可能になる。

図2:倒れた人のそばにいる巡回管理要員を確認して、救命に向かうよう指示するところ

 防犯センターは加えて、救命活動に加わるボランティアを募集するスマホアプリ「Coaido119」(Coaido製)を通して、現場近くにいる一般の人たちにも通知し、救命技能を持つ人を募った(図3)。

図3:スマホアプリ「Coaido119」の呼びかけに応じ、現場近くにいた救命技能を持つ人がて現場に駆け付け、救命活動を開始

 この間に防犯センターでは、倒れた人の性別、おおよその年齢、倒れた時間、救命活動を開始した時間などの情報をCisco Sparkの画面に書き出しておく。き出した情報を管理要員のスマホに送信することで、現場に到着した救急隊に詳細な情報が伝えられる。

 今回の実験は、急病人やけが人が発見しにくい場所で発生することを想定し、カメラやAIでいち早く発見することと、施設内で救命に当たる管理員同士のコミュニケーションを通話サービスや救命アプリで解決することを目指したものである。

 2016年に発生した救急搬送例のうち、心肺機能が停止していた例は12万3554件あり、うち7万5109件は心臓障害が原因である。心臓障害が原因の場合、救命活動をいち早く始められれば救命できる可能性が高い。だが、7万5109件のうち、倒れた時に目撃者がいない例が4万3789件、目撃者がいても救急隊が着くまでに心肺蘇生などの救命活動を受けられなかった例が1万1215件あった(総務省消防庁「平成29年版 救急・救助の現況」より)。

 実証実験に参加した3社は、クリューシステムズと日本橋室町エリアマネジメントとともに「日本橋室町エリア防災高度化実行委員会」を設立。委員会は今後、参加団体を増やしながら実証実験を続けていく。実証実験で得た知見をもって、日本橋以外でも救命率向上に向けた活動に取り組むとしている。