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4K画像で高所にある構造物を点検するサービスなど、パナソニックが開始

DIGITAL X 編集部
2018年4月10日

4K画像を使って構造物を点検したり、巡回車両から撮影した画像で設備を点検したりするサービスをパナソニックおよびパナソニック システムソリューションズ ジャパンが2018年4月2日に開始した。高所にある構造物などを各種センサーを取り付けることなく点検ができる。

 4K画像を利用するのは「4K画像活用構造物点検サービス」。主に橋梁など高所にある構造物の点検を対象にする。構造物を4Kの高精細カメラで撮影し、その画像を分析することで、振動時のたわみ量や周波数などを割り出す。

 高所にある構造物の点検では、足場を設け、多くの人員と期間をかけて点検してきた。センサーを利用するにしても、一度は構造物にセンサーを取り付ける必要があるため、足場を設けての高所作業は避けられなかった。

 4K画像活用構造物連件サービスでは、足場を設けての高所作業が不要なほか、多くの人員を割く必要がない。従来の手法では計測できなかった部位の変化も計測できる。実際の作業では、構造物を撮影する前の下見から実際の撮影、画像データの解析までをパナソニックが請け負い、解析結果をレポートにまとめて依頼者に提供する(図1)。

図1:「4K画像活用構造物連件サービス」の流れ

 今回、「インフラ設備撮影サービス」も開始した。主に電柱などの道路に近接して設置された設備の点検を対象にしたサービスで、車両などに取り付けたカメラで対象物を撮影する。たとえば、電柱にカラスなどが巣を作っていないかなど、広範囲に渡って高所を点検する作業などを想定する。

 電柱の点検などは、点検員と車両の運転手の複数人体制で実施しているケースが多い。インフラ設備撮影サービスでは、運転手が車両を運転しながら撮影する作業を代替することで、人員配置とスケジュール構成を容易にする。撮影画像を地図に対応付ければ、地図から過去の設備画像を検索することもできる。

 撮影画像をAI(人工知能)で分析する「お試しAIサービス」を別途用意する。画像認識により、設備の異常や物体を検出する。利用者は検出結果を確認することで、抽出アルゴリズムを調整する。検出精度が高くなれば、異常検出にかかる時間を半分以下にまで短縮することも期待できるとしている。

 パナソニックおよびパナソニック システムソリューションズ ジャパンは、ロボティクスと画像処理技術を使ったインフラ点検サービスを「Smart Image Sensing」シリーズとして展開し、2016年11月には「水中ROV(Remotely Operated Vehicle)点検サービス」を開始している。4K画像活用構造物点検とインフラ設備撮影の両サービスも、同シリーズとして提供する(図2)。

図2:「Smart Image Sensing」シリーズの概要