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世界100都市の交通機関を米Arthur D. Littleがランキング、東京は総合評価で11位に
世界の100都市における交通機関に対する評価ランキングを米Arthur D. Littleが公開した。総合評価のトップはシンガポール。東京は11位、大阪は41位だった。
Arthur D. Littleが公開した「Urban Mobility Index 3.0」は、都市の交通機関に対する27項目を調査し、成熟度と革新性、性能の3つの観点から評価したもの。今回で3回目の調査になる。「3.0」は、その意味だ。
成熟度は、徒歩や自転車による移動および公共交通機関の整備状況などで最大36ポイントが与えられる。革新性は、各種のシェアリングサービスの導入状況や、移動に関するサービスプラットおよび自動運転などへの取り組み状況などで最大24ポイントが付く。性能は環境への負荷や事故の少なさなどで最大40ポイントが与えられる。これらのポイントを合計したものが総合評価となる。
総合評価の満点は100ポイント。Arthur D. Littleは50ポイントを「標準的」と位置付けている。今回の調査で、50ポイントを超えたのは100都市中わずか10都市だった。総合評価の第1位はシンガポール(59.3ポイント)、2位はストックホルム(57.1ポイント)、3位はアムステルダム(56.7ポイント)だった(図1)。
日本の都市では、東京と大阪の2都市が調査対象になっている。東京は総合評価50ポイントで11位だった。大阪は総合評価が43.2ポイントで41位だった。
評価軸別にみれば、成熟度の1位は香港、2位はストックホルム、3位はウイーンである。イノベーションでは、シンガポールが首位で、2位にロンドン、3位がアムステルダムだった。性能では、1位がストックホルム、2位がアムステルダム、3位はコペンハーゲンである。各項目の上位10都市は表1の通り。
順位 | 総合 | 成熟度 | イノベーション | 性能 |
1 | シンガポール | 香港 | シンガポール | ストックホルム |
2 | ストックホルム | ストックホルム | ロンドン | アムステルダム |
3 | アムステルダム | ウィーン | アムステルダム | コペンハーゲン |
4 | コペンハーゲン | ヘルシンキ | パリ | ニューヨーク |
5 | 香港 | ワルシャワ | 上海 | ウィーン |
6 | ウィーン | シンガポール | ストックホルム | タリン |
7 | ロンドン | プラハ | サンフランシスコ | ヘルシンキ |
8 | パリ | コペンハーゲン | ブリュッセル | 大阪 |
9 | チューリッヒ | チューリッヒ | ベルリン | バルセロナ |
10 | ヘルシンキ | アムステルダム | 北京 | シンガポール |
今回の調査の平均点は42.3ポイントと「標準的」を下回っている。Arthur D. Littleは、調査対象にした都市の大部分に交通機関に改善すべきところが残っており、ほとんどの都市が交通機関が潜在的に持つ力の半分も活用できていないとしている。