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良品の画像データだけから不良品検出を学習できるソフトウェア、NECが販売

志度 昌宏(DIGITAL X 編集長)
2018年5月15日

画像認識を使った検品作業に向けて、良品の画像データだけから不良品の検出を学習できるディープラーニング(深層学習)ソフトウェアをNECが開発した。品質管理が進み不良品の画像データが集まらない状況でもディープラーニングを適用できる。2018年6月4日から販売する。

 不良品検出などにAI(人工知能)を使った画像認識を適用する動きが増えている。ただ、不良品の検出には一般に、良品と不良品それぞれの画像データを1000件単位で用意し、学習させる必要があるものの、品質管理が進んでいる日本の向上では、不良品の件数が少なく、学習用データを十分に集めること自体が難しいという課題があった。

 こうした課題に対しNECは、ディープラーニング(深層学習)技術を搭載したソフトウェア「NEC Advanced Analytics – RAPID機械学習」を強化し、良品データのみで不良品検出も学習できるようにした。1種類の画像データのみの学習で2種類の画像データを分類できる「OneClass分類アルゴリズム」の搭載によるもので、良品データしかない場合でも、異常箇所を検出するモデルを生成できる(図1)。

図1:OneClass分類アルゴリズムによる検品業務の概念

 今回、操作画面も改良した。分析機能を集約し、操作方法をナビゲーションする機能を追加した。データ分析の専門家でなくても操作できるとしている。

 また画像解析の強化のほかに、マッチング分析機能を強化した。人材採用や離職防止などに利用されているテキストデータのマッチング分析において、テキストとして取り扱っていた数字情報を、数字本来の意味を保ったまま解析できるようにした。

 NEC Advanced Analytics – RAPID機械学習V2.2画像解析版の価格は375万円(税別)から。2018年6月4日から販売する。同マッチング版の価格は375万円(同)からで、2018年5月21日から販売する。