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インクジェットプリンタによる染色の生産条件を管理するソフトウェア、ミマキエンジニアリングが開発

DIGITAL X 編集部
2018年5月29日

大判インクジェットプリンタで布に模様を印刷する「デジタル捺染(なっせん)」業務における生産条件を、各種の製造機械が取得し一元管理するためのソフトウェアを、デジタル捺染大手のミマキエンジニアリングが開発した。生産条件を可視化し、生産性の向上を図る。2018年5月15日に発表した。

 ミマキエンジニアリングが開発した「Mimaki Job Controller TA」は、デジタル捺染の生産条件を管理するためのソフトウェア。生地に模様を印刷するインクジェットプリンタや、その前処理や後処理のための機械から、それぞれの設定条件を収集し、一元的に管理する。過去の生産条件を呼び出せば、繰り返しの注文でも品質の安定化が図れるほか、指示書の作成が不要になるためコスト削減にもつながる。

 デジタル捺染では、プリンタによる印刷工程のほかに、生地に薬剤を塗布しインク滲みを防止する「前処理」、印刷後にインクを定着させる「蒸し」、生地に残った前処理剤や余分なインクを落とす「洗い」の工程がある。ミマキは2017年11月、前後処理装置の事業を豪Rimslowから取得し、自社製品として2018年10月から販売する。Job Controller TAは、これら新製品を横断的につなぐためのソフトウェア二なる(図1)。

図1:「Mimaki Job Controller TA」は、デジタル捺染業務における生産条件を注文ごとに管理する

 生産条件データとしては、実生産数や、生産者、生産時間、不良率なども管理できる。 Job Controller TAは、これらのデータを解析し、グラフなどの形で表示する。担当者は、生産効率の改善やコスト計算などに利用できる。受注済案件の生産状況も常時、確認できるようになる。

 生産条件をバーコード入力する機能もある。各工程における指示書の内容をバーコードで読み取る機能もある。生産条件管理で決めた条件をデータベースから呼び出し、自動で設定することで、人為的エラーによる条件設定ミスを防止する。