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国内コネクテッドカー向けソフトウェア市場は2022年に750億円規模に、IDC Japanが予測

DIGITAL X 編集部
2018年6月29日

国内のコネクテッドカー向けソフトウェアの市場について、調査会社のIDC Japanは2022年には750億円規模まで成長すると予測する。2018年6月12日に発表した。

 IDC Japanの予測によれば、国内のコネクテッドカー向けソフトウェア市場は2017年に200億円を超え、2022年に750億円になるという(図1)。この間の年複利成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は28.2%になる。

図1:国内コネクテッドカー向けソフトウェアの市場規模の予測。棒グラフが市場規模、折れ線は前年比成長率(IDC Japan調べ)

 市場を牽引するのは、運転の「安全/安心」を支援するシステム。現状は、カメラやセンサーを多用し運転を支援するシステムの開発が盛んだが、今後はV2X(Vehicle to Everything)通信で取得できるデータの活用も進む。結果、量と種類が増えるデータを解析するソフトウェアやセキュリティ対策ソフトウェアなどの市場が拡大するという。

 この市場への投資主体は、自動車OEM企業や部品の1次供給者など。多様な企業と協力しながらデータ活用を進め、サービスとしての競争力を高めたいからだ。自動車各社の投資拡大により、2020年には多様なサービスの開発が本格化し、管理/解析対象となるデータ量とその種類が急激に増大するという。

 一方、車両の運行管理に向けたソフトウェアでは、クラウドやAI(人工知能)の活用が始まっている。今後は、業種特化した機能の開発が進み、運行管理サービス基盤と業種特化型ソフトウェアの市場が拡大。2020年以降も業種別ソフトウェアの多様化などにより市場の成長が続くとしている。

 この市場の最大顧客は運輸業界。サービス基盤や、貨物運送/旅客輸送などの業界に特化したソフトウェアの市場が2020年~2021年に拡大していく。

 IDC Japanは、コネクテッドカー向けサービス基盤を提供する事業者に対し、「機能拡張など顧客の要望に対応するために柔軟なサービス提供体制を整えるべき。企業向けサービスでは、車載通信機器メーカーと協業し、車の搭乗者に向けたAI音声アシスタントなども提供すべきだ。そのためには学習用教師データを提供できる企業などとの提携を進めることが重要になる」とコメントしている。