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データ活用の専任部門/担当者を置く日本企業は3割どまり、ガートナー ジャパン調査

DIGITAL X 編集部
2018年7月3日

「日本企業におけるデータ活用の具体的な取り組みは進んでいない」--こんな状況が、IT関連調査会社のガートナー ジャパンが実施した調査から浮かんできた。2018年6月12日に発表した。

 今回の調査は、従業員数20人以上の企業の情報システム部門の責任者を対象に2017年10月から12月にかけて実施したもの。有効回答数は721件である。

 その結果によれば、データ活用の専任部門や専任担当者を何らかの形で置いている日本企業は30%。これに対し、専任部門/担当者が必要と感じながら設置できていない企業が39%、さらに、設置の必要性を感じていない企業が30%あった(図1)。

図1:日本企業のデータ活用専任部門、専任担当者の設置状況(ガートナー ジャパン調べ)

 専任部門/担当者の設置率は低いものの、従業員がデータを活用しようとする際に「必要なデータを提供できている」とする企業が46%あった(図2)。ただし、情報の管理(ガバナンス)体制が「整備されている」とする企業は14%にとどまっている。

図2:従業員が必要とするデータをどういう形で提供できているかを問う設問に対する回答(ガートナー ジャパン調べ)

 企業が保有するデータの維持/改善については、54%の企業が「特に取り組んでいない」とし、34%の企業は「IT部門の要因が都度手作業で改善」という状況だった(図3)。データ品質ツールを導入している企業は2%である。

図3:データの維持/改善に向けた体制(ガートナー ジャパン調べ)

 今回の結果についてガートナー ジャパンは、次のように分析している。

 「データ活用が必要だとしながらも、専任部門や専任担当者が必要だと理解している企業は少なく、データ活用の具体的な取り組みは進んでいないと考えられる。データの活用にはさまざまな業務が関連し、情報システム部門だけでも業務部門だけでもできるものではない。海外ではデータ活用の専任部門を置いたり、データ活用に責任を持つCDO(Chief Data Officer:最高データ責任者)を任命したりする企業が多い。データに対する意識を変革し、データ活用に向けた組織変革や人材育成に取り組む必要がある」

 なお今回の調査で、専任のCDOがいると回答した日本企業は1%。兼任者がいるか近い役割の役員がいる企業も20%に満たなかった。CDOがどういう存在であるか知らないとする企業も25%存在した。