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高齢者にロボットが声がけする介護施設向け見守りサービス、NTTデータが開始

DIGITAL X 編集部
2018年7月10日

介護施設にいる高齢者を見守り、必要時にはベッドサイドに置いたロボットが声をかけるというサービスをNTTデータが開始している。2018年6月14日に発表した。

 NTTデータが提供する「エルミーゴ」は、介護施設における高齢者の見守りを対象にしたサービス。ベッドにセンサーを設置し、要介護者の状態などを把握することで、介護担当者の負荷の軽減を図る。必要時は、ベッドサイドに置いたロボット「Sota」を介して声をかけることで要介護者に安心感を与え、結果として無理な行動による怪我などを防げるとしている。

 設置するセンサーは、ベッドサイドに置く画像センサーと、ベッドマットの下に設置するシート型センサーの2つ。両者により、要介護者が起きているか、起き上がろうとしているのか、ベッドから離れているのかなどを検知する(図1)。

図1:要介護者の居室にセンサーとロボットを設置し要介護者の状態を見守る

 検知結果や要介護者の画像は、介護スタッフらが携帯するスマートフォン上で確認できる。画像は、モノクロのシルエット画像にすることで、プライバシーに配慮した。通知を受けた介護スタッフは、画像を確認しながら、至急駆けつける必要があるかなどを判断し、介護作業の優先順位付けが図れる(図2)。

図2:センサーで要介護者の様子を検知し、スマートフォンに通知する。必要に応じてコミュニケーションロボットに発話させることもできる

 スマートフォンのボタン操作により、ベッドサイドに置いたロボットのSotaが介護スタッフに代わって声をかける。要介護者を落ち着かせ、ベッドからの転倒などの事態を防ぐ。Sotaは、要介護者との会話に応じる機能も持つ。水分補給やリハビリテーションを促すこともできる。

 エルミーゴは、月額利用料を支払うサブスクリプション型で提供する。標準的な機器構成は、ロボットのSotaが5台、画像センサーとシート型センサーがそれぞれ5台、PCが1台になる。画像センサーはキング通信工業の「シルエット見守りセンサ WOS-114N」、シート型センターはパラマウントベッドの「眠りSCAN NN-1310」を使用する。ロボットのSotaはヴイストン製である。

 NTTデータは今後、AI(人工知能)を活用して高齢者の生体データや動き、音声などを分析し、心身の状態を分析/評価したり、将来の状態を予測したりする技術の開発などを検討していく。