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「情報銀行」の実証実験、日立など6社が日立社員200人のデータ使い実施

DIGITAL X 編集部
2018年9月21日

「情報銀行」の実証実験を、日立製作所と日立コンサルティング、インフォメティス、東京海上日動火災保険、日本郵便、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムの6社が開始した。個人情報を本人が管理し安全を確保しながら、事業者が利用できる仕組みを検証する。2018年9月10日に発表した。

 「情報銀行」とは、個人情報を、その個人自身が管理し、個人情報を利用したい事業者に対し提供条件を指定して提供する仕組み。事業者は、指定された条件に従うことで、個人情報を各種サービスの開発・提供などに利用できる。

 経済産業省と総務省は2018年6月、情報銀行が担うべき役割や要件について定めた認定基準を公表している。個人情報利用に関する安全性や透明性を確保する必要があるほか、データ侵害などの事故を防ぐためのセキュリティ対策や、事業者がデータを利用した履歴を確認する仕組みなどが求められる。

 今回の実証実験では、日立製作所が実験に参加する社員200人を募集。活動量センサーで得る健康データや、人事部門が持つ収入データを情報銀行に提供する。日立は情報銀行事業者として、情報銀行システムの構築・運営を担当する(図1)。

図1:「情報銀行」の実証実験の概要

 日立コンサルティングは、モデル約款が適切かつ十分であるかを検証する。モデル定款は、情報銀行が個人、データ保有者、データ利用者のそれぞれと締結する契約書のひな形になる。認定基準が妥当であるかも検証する。

 インフォメティスは、自社開発の電力センサーを実験参加者200人の自宅に設置し、世帯ごとの電力消費量、家電ごとの電力消費量などの個人情報を情報銀行に提供する。

 東京海上日動火災保険と日本郵便、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)の3社は、情報銀行が持つ個人情報の利用者として参加する。東京海上日動は、情報銀行から得られる個人情報を活用して、家電向け保険やサービスを開発できる可能性を検討する。

 日本郵便は、情報銀行から得た個人情報から、実験参加者の在宅率に合わせて宅配ルートを改善できる可能性を検討する。DACは、情報銀行から得た個人情報を使い、個人1人ひとりの属性に合わせたWeb広告配信による効果を検証する。