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日立キャピタルNBL、小口融資の審査をAIで自動化できる割合を約9割に

DIGITAL X 編集部
2018年11月15日

日立キャピタルの子会社で、提携先の販売店へのリース/クレジットなどを提供す日立キャピタルNBLが、中小企業への小口融資における審査業務にAI(人工知能)を活用する実証実験を実施し、約9割まで自動で審査できることを確認した。日立キャピタルと日立製作所が2018年9月27日に発表した。

 日立キャピタルNBLが実施したのは、中小企業を対象にした小口融資の審査業務にAI(人工知能)を使って、どこまで自動化できるか。2018年5月から8月にかけて、過去数年分の審査情報や関連する信用情報などと、回収結果の相関をAIで分析し、融資可能と判断できる条件の組み合わせを導き出した。

 さらに、独自のスコアリングモデル式を構築し、融資可否のしきい値を算出することで、与信の自動判断が可能な範囲を拡大した。結果、自動審査が可能な融資申込件数を、従来の約7割から約9割に大幅に増やせたという。これまでは人手による個別判断に頼らざるを得ない部分があり、自動化率を高められなかったとしている。

 実証に使用したAIシステムは、日立製作所の「Hitachi AI Technology/H」。事業に関するデータを分析し、売り上げやコスト、業務の達成度など、企業が求めるKPI(重要業績評価指標)との相関が強い要素を導き出したり、KPIを改善する施策の仮説も導き出したりができる。

 日立キャピタルグループは現在、販売店向けサービス事業の競争力強化を目的に、同事業の日立キャピタルNBLへの集約を進めている。同時に、コンピューターシステムに積極的に投資し、顧客窓口などフロント業務の強化、および、業務の簡素化と標準化による労働環境の改革を進めている。今回の実証実験は、システム化のよる業務効率向上に向けた取り組みの一環になる。

 日立キャピタルグループは今後も、AIなどの先端技術を積極的に活用し、顧客へのサービス品質の向上と業務効率化を推進する計画だ。

デジタル変革(DX)への取り組み内容
企業/組織名日立キャピタルNBL
業種金融
地域東京都港区
課題提携先販売店への支援策としてのリース/クレジット業務を集約する中で、顧客サービスの向上と業務の効率化を図りたい
解決の仕組み小口融資の審査業務にAI(人工知能)を利用し自動化を図る
推進母体/体制日立キャピタルNBL、日立キャピタル、日立製作所
活用しているデータ過去数年分の審査情報や関連する信用情報などと、回収結果など
採用している製品/サービス/技術「Hitachi AI Technology/H」(日立製作所製)
稼働時期2018年5月から8月(実証実験)