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果物の食べごろを予測しQRコードで消費者に伝えるサービス、自動認識関連のサトーが開始

DIGITAL X 編集部
2018年12月4日

果物の食べごろを予測し、その結果をQRコードで消費者に伝えるサービスを、自動認識システムなどを開発・販売するサトーが2018年12月1日から提供している。11月19日に発表した。

 サトーが2018年12月に開始した「coro-eye(ころあい)」は、果物の食べ頃を予測するサービス。果物の硬さを非破壊で検査し、「固め」や「普通」「柔らかめ」など、顧客が自身の好みで食べるタイミングを選べるようにする。実際に切って食べるまで分からなかった食べ頃を消費者に提示することで、”おいしさ”に対する安心感を提供できるとしている。

 coro-eyeでは、まず生産農家が果物に固有のIDを振り、それをQRコードとして印刷し果物に貼り付ける。販売店は果物の硬度を測定し、そこから得られた食べ頃情報を付加して消費者に販売する。消費者はQRコードをスマートフォンで読み取ることで、食べごろなどを確認できる(図1)。

図1:果物にQRコードで固有IDを振る。右は消費者が受け取る「食べごろガイド」の画面例

 生産者と販売店、消費者をつなぐ専用のWebサイトも立ち上げる。贈答用途を考慮し、贈り主と最終消費者の間で必要になる配送状況の確認や、お礼メッセージの送付といった機能も用意する。消費者には、生産農家の詳細情報や、果物の切り方などの豆知識も提供する。

図2:生産農家と販売店、贈答者、消費者をつなぐWebサービスも用意する

 販売店に対しては、リピート需要を拡大できるよう、購入者への販売促進のほか、消費者による評価を収集し、生産農家や販売店それぞれの改善策につなげることもできる。

 果物の堅さから食べ頃を予測する機能は、広島大学の櫻井 直樹 特任教授が代表を務める学内ベンチャー、生物振動研究所の協力を得て開発した。硬度と食味の相関関係を導きだし、硬度から食べごろを特定する。硬度は、果物に微小振動を与え、共振周波数をセンサーで検知して測定する(図3)。

図3:果物の堅さから食べ頃を予測する仕組みの概念

 サービス開始に先立ち、高知県の販売店「くだものの山長(やまちょう)」で2017年~2018年に実証実験を実施した。桃、メロン、文旦、マンゴーの4品目に対し、20人以上の消費者が参加した。結果、食べごろについて「予測通りの硬さだった」との回答は、平均88%(桃93%、メロン81%、文旦94%、マンゴー84%)だった。くだものの山長は、coro-eyeサービスの導入を決め、第1号ユーザーになっている。

 サトーは今後、coro-eyeを生産農家や販売店向けに提案する。必要なラベルやプリンター、硬度測定機なども販売/レンタルする。まずは、贈答用市場で売り上げの約5割を占める5品目(メロン・桃・マンゴー・スイカ・梨)から始め、将来的に8割の果物に対応する予定である。