• News
  • 製造

工場内の資材位置を1メートル精度で管理する技術、ARを応用しNEC通信システムが開発

DIGITAL X 編集部
2019年1月17日

製造現場の資材などの位置を1メートル以内の精度で測位・管理する技術をNEC通信システムが開発した。AR(Augmented Reality:拡張現実)を応用している。2019年1月11日に発表した。

 NEC通信システムが開発したのは「マーカー測位技術」。工場における資材や仕掛品、完成品の保管位置をマーカーを撮影した映像を基に測位・管理することで、資材を探す時間を短縮できるほか、保管や移動、撤去などを一連の流れとしてとらえて資材の動きを自動的に監視できるようになる。

 マーカー測位技術では、資材の保管地点を記録するために、壁面や柱に付けた基準点マーカーと、資材に付けた資材マーカーをカメラで撮影する(図1、図2)。搬出時には、基準点マーカーとカメラの位置と姿勢(角度)から、資材マーカーの位置を相対的に求めることで、資材の位置を1m以内という精度で推定する。カメラの位置や姿勢(角度)の推定にAR(Augmented Reality:拡張現実)で用いる技術を応用した。

図1:「マーカー測位技術」のシステム構成
図2:「マーカー測位技術」のデモイメージ

 マーカーには、紙状の媒体に印刷したものを使う。ビーコンなどの電波方式と異なり、特殊な装置が不要で取り扱いが簡易になる。電池交換などのメンテナンスも不要で保守性にも優れるとしている。風雨に耐えられる媒体を使えば屋外にも設置できるため、屋内外で異なる測位装置を置かなくても資材を一元的に管理できる。

 測位精度を1m以内にするためには、マーカーの大きさが28cm×28cm、マーカーとカメラ間の距離が10m以内にする必要がある(同社の検証結果)。カメラの性能やマーカーのサイズ、設置環境によって精度は変わる。