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オフラインで動作するエッジAIをハカルスとPALTEKが開発、外観検査や監視、交通量監視などを想定

DIGITAL X 編集部
2019年1月24日

AI(人工知能)ソフトウェアをFPGA(Field Programmable Gate Array:プログラム可能なLSI)に搭載することで、オフラインでもAIによる学習や推論を可能にする製品が登場した。AIパッケージを開発するハカルスと半導体商社のPALTEKが共同開発したもので、2019年1月17日に発表した。

 ハカルスとPALTEKが共同開発した「HACARUS-X Edge」は、オフラインで動作するAI(人工知能)システム。ハカルスのAIパッケージ「HACARUS-X」を、米XilinxのSoC(System on Chip)「Zynq UltraScale+ MPSoC」を搭載する「ZCU104評価キット」に移植することで、クラウドなどに接続しなくても、エッジ側で学習・推論を実行できるようにした。

 第1弾として、画像解析向け機能を提供する(図1)。HACARUS-X Edgeにカメラを接続すれば各種の解析を実行できる。

図1:FPGA上でのAIによる画像解析の流れ

 産業分野での用途として次の4つを想定する。(1)外観検査:製造過程の品質管理に使えば不良品を検知し通知できる、(2)監視:施設内での不審な動きや特定領域への侵入を検知する、(3)訪問者の統計:施設に出入りする訪問者の数や滞在時間などの統計情報を取得する、(4)交通量の監視:道路の混雑状況の把握や、駐車場の空車場所の検知などができる、である。

 搭載するHACARUS-Xは、少ないデータからも特徴抽出ができる「スパース(疎性)モデリング」技術を機械学習に応用している。スパースモデリングは、複雑な分析で用いられた計算式を特徴のみ抽出して単純化するデータ分析の方法論。ディープラーニングでは必要とされる大量の学習データが入手できない環境でも、分析や識別作業の自動化に応用できる。データ同士の因果関係も解明でき、ディープラーニングでは解決できない「正解データそのものを導き出す」といった使い方ができるとしている。

 ZCU104評価キットを過去にPALTEKから購入した法人ユーザーに対しては、2019年1月から3月末までは、HACARUS-X Edgeを無償で提供する。ハードウェアを追加購入しなくても、HACARUS-X Edgeの評価を始められる。評価には、解像度が、3840×2160ピクセルか、1920×1080ピクセル、1280×720ピクセルのいずれかのDisplayPortまたはHDMI入力のモニターが必要になる。