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ペットの健康を管理するためのIoTツール、日本動物高度医療センターが発売

DIGITAL X 編集部
2019年2月7日

ペットの健康を管理するためのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)ツールを日本動物高度医療センター(JARMeC)が2019年2月1日に発売した。犬や猫に活動量計を装着し、データをスマートフォン用アプリケーションで可視化し、獣医師とも共有できるようにする。2019年1月29日に発表した。

 日本動物高度医療センター(JARMeC)が発売した「プラスサイクル」は、ペット向けの健康管理ツール。犬や猫などのペットに活動量計を装着し、専用のスマートフォン用アプリケーションと連動させて利用する。活動量計の大きさは直径27mm×厚さ9.1mm、重さは約9g(写真1)である。

図1:ペット健康管理ツール「プラスサイクル」の活動量計

 。気圧センサーや3軸加速度センサーを内蔵する。気圧センサーでは、ペットがジャンプした回数を計測する。ソファやキャットタワーなど40cm以上の場所に飛び上がった回数を計測することで、加齢による関節炎などの前兆に気付きやすくなるという。加速度センサーでは活動量を計測する。約5日(120時間)分の活動量をメモリーに記録できる。

 Bluetoothにより専用のスマートフォン用アプリケーションと通信する。スマホアプリでは、活動量やジャンプ回数が低下してくると通知する。直近1週間の平均値を基準に、平均値の80%を2日連続で下回ると通知する。活動量は24時間/1週間/1カ月/3カ月のグラフで表示できる。生活リズムや睡眠状態の確認、雨の日の散歩量のフォローや投薬効果の確認などに利用できるという。活動量のほか、ペットの機嫌、食事の量、排泄物の状態といった日々の様子をメモとして記録できる。

 活動量は、獣医師専用Webサイト「Dr.SITE」を介して獣医師と共有できる。飼い主が、かかりつけの動物病院を登録することで、病院外での活動量を獣医師が確認できるようになる。病院からのお知らせなども受信できる。

 プラスサイクルの仕組みは、犬や猫以外にも応用できる。たとえば、横浜市立動物園の「よこはま動物園ズーラシア」では、アジアゾウに活動量計を装着し、動物園での生活環境が充実しているかどうかを把握・評価するために利用している。野生動物の生態観察などへの応用も期待する。

 プラスサイクルは、ECサイト「BASE」内の公式オンラインショップを通じて販売し、価格は9720円(税込・送料無料)。獣医師専用Webサイトは無料で利用できる。今後5年間で、日本国内の犬・猫飼育頭数の約1%に当たる18万個の販売を目指す。