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配送計画の最適化サービスを日立が開始、実証ではトラック台数を1割削減

DIGITAL X 編集部
2019年3月13日

配送計画をAI(人工知能)やIoT(Internet of Things:モノのインターネット)などを使って最適化するサービスを日立製作所が日本と中国、タイで2019年4月1日から提供を開始する。物流コストの削減や配送業務の効率化を支援する。2019年2月28日に発表した。

 日立製作所の「Hitachi Digital Solution for Logistics/配送最適化サービス」は、物流業務における配送計画を自動で立案するサービス。車両ごとの配送先/配送日時の割り付けや、配送ルートの策定、積載率や稼働時間/走行距離などを算出できる(図1)。

図1:「Hitachi Digital Solution for Logistics/配送最適化サービス」の配送計画管理画面

 計画立案には、AI(人工知能)のほか、熟練者の経験をロジックに反映させることで、熟練者に代わっての計画立案を可能にしたという。具体的には、トラック横付けスペースの利用順序の決定や、複数ある配送候補日の調整などに熟練者の経験を取り入れた。

 計算では、納品日時や、物流センターや拠点の位置、走行ルートと時間、渋滞の有無、積荷/滞店時間、トラックの種類、ドライバー条件などを変数として制約条件や重み付けを決定。熟練者の経験を加味したアルゴリズムでデータを分析し計画を立てる。実証実験では、配送トラックの台数を従来比で最大約10%削減できたという。

 配送計画と実績の比較もできる。車両やドライバーごとの配送時間やルート、作業内容のほか、配送コストや配送遅延率などを比較・可視化できる。配送実績は、配送車の走行記録をGPS(全地球測位システム)で取得する。比較データを分析し、計画立案時の条件設定に反映すれば、配送計画の精度向上が図れるとしている(図2)。

図2:「Hitachi Digital Solution for Logistics/配送最適化サービス」を活用した配送業務フローのイメージ

 既存システムのデータや、他社サービス、オープンデータと連携できるよう、オープンなIoTプラットフォームを提供する。今後は、ユーザー自身が改善できるよう、AIによる分析機能を追加する予定だ。

 Hitachi Digital Solution for Logistics/配送最適化サービスは日本のほか、中国とタイでも2019年4月1日から提供する。料金は個別見積もりである。