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世界のIoT市場規模は2019年に7450億ドルに、米IDCが予測
全世界のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)市場の規模は2019年に7450億ドルに達する--。調査会社の米IDCは、こう予測する。製造、個人消費者、運輸、公共/公益といった分野が成長をけん引するという。同社の日本法人が2019年2月12日に発表した。
米IDCの調査によれば、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)に対する世界の総支出額は、2019年に7450億ドルに達する見通しだ。2018年の支出額6460億ドルを15.4%上回る。2017年~2022年の予測期間中、全世界のIoT支出額は2桁の成長率を維持し、2022年には1兆ドルの大台に乗ると予測する。
業種別に見ると、2019年にIoTへの支出額が大きい業種は、組立製造(1190億ドル)、プロセス製造(780億ドル)、運輸(710億ドル)、公共/公益(610億ドル)の順。製造業では、製造オペレーションや製造アセット管理を支援するIoTが市場の中心になると予測する。運輸では、輸送貨物管理、次いでフリート(業務用車両)管理に、IoT支出額の半分以上を費やす見通しだ。公共/公益では、電気、ガス、水道のスマートグリッド/スマートメーターがIoT支出のほとんどを占めるとみる。
2017年から2022年までの年複利成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)が最も高い業種は、保険(17.1%)、中央官庁(16.1%)、医療(15.4%)だと予測する。
用途別にみれば、2019年に支出額が大きいと予測するのは、製造オペレーション(1000億ドル)、製造アセット管理(442億ドル)、スマートホーム(441億ドル)、輸送貨物管理(417億ドル)である。支出額の成長率が高いと予測されるのは、空港設備管理、EV(電気自動車)充電設備管理、農業フィールド監視、病院内クリニカルケア、小売店の舗内レコメンドだとみている。
サービス/ハードウェア/ソフトウェアの分類で見ると、2019年にIoT関連の導入/運用サービスの支出額は2580億ドルにのぼる見通しだ。ハードウェアの支出額は2500億ドル弱と予測する。2000億ドル以上の支出を予測するセンサー/モジュールが中心だ。
ソフトウェアの支出額は合計1540億ドルと予測し、5年間の予測期間でのCAGRは16.6%と高い成長率を見込む。サービスの支出額もCAGRが14.2%と、全体的なIoT支出額の伸びを上回る成長率を予測する。IoTコネクティビティの支出額は、2019年は合計830億ドルと見込む。
国別では、2019年にIoT支出額が最も多いのは米国(1940億ドル)。それに中国(1820億ドル)、日本(654億ドル)、ドイツ(355億ドル)、韓国(257億ドル)、フランス(256億ドル)、英国(255億ドル)が続く見通しだ。成長率が高いのは、メキシコ(CAGR28.3%)、コロンビア(同24.9%)、チリ(同23.3%)と、すべてラテンアメリカ諸国だと予測している。
スマートホームなど個人のIoT支出に関しては、米IDC Customer Insights & Analysis リサーチディレクターのマーカス・トーチャ氏は次のようにコメントしている。
「個人消費者の2019年のIoT支出額は1080億ドルに達し、これは2番目に大きい産業分野になる。スマートホームや個人向けウェルネス、コネクテッドカー(情報/娯楽)関連が有力だ。家庭向けのIoTにおいては、スマートホームのオートメーション分野と家電分野の支出額が大きく伸びる。5年間のCAGRは17.8%と予測する」