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個人がスマホで撮影した映像を定点観測や地域防犯などに利用できるアプリ、プライムサーバントが無料公開

DIGITAL X 編集部
2019年4月1日
スマホをドライブレコーダー代わりに利用する

個人がスマホで撮影した映像を、定点観測や地域防犯などの用途に使えるスマホ用アプリケーションが無料公開されている。スマホをドライブレコーダー代わりにするアプリなどを開発するプライムサーバントが提供するもので、事件・事故などの映像を報道機関などに販売するためのマーケットプレイスも用意する。2019年3月11日に発表した。

 プライムサーバントが無料公開する「CETRAS」は、動画を長時間撮影できるAndroid用アプリケーション。映像から特定の場面や人物を検知する画像認識機能とクラウドへのデータ保存機能を持ち、それらを組み合わせることで、定点監視カメラやドライブレコーダーなどに利用できる。個人が撮影した画像の分析結果を統合できるため、固定式の防犯カメラを置かなくてもスマホを“動く防犯カメラ”に位置付け、市民参加型の地域防犯にも利用できる。

 定点監視カメラとしては、移動体検知機能と検知映像バックアップ機能を利用する。映像から動く対象物を検知し、その映像をオンラインストレージの「Google Drive」または「Dropbox」へ送信することで、遠隔地からの監視が可能になる(図1)。定時起動やタイマーの機能があり、夜間のオフィスや駐車場の監視などにも利用できる。

図1:移動体検知と検知映像のバックアップにより遠隔地からの監視が可能に

 防犯用途では、人物照合機能を使う。警視庁の指名手配犯が映っているかどうかをAI(人工知能)で照合し、映っていると判定すれば警察に通報する(図2)。撮影者が提供した映像によって指名手配犯が捕まれば、事件解決報奨金は映像投稿者へ支払われるという。今後は行方不明者の捜索などにもAIの認識対象を広げる予定だという。

図2:映像内に指名手配犯が映っているかどうかをAIで判定する

 撮影した映像は、映像取引マーケット「CETRA.LINK」へ投稿できる(図3)。マスコミが報道素材として映像を買ったり、自動車保険会社が事故対応映像として購入することなどを想定している。売価は、撮影者自身が希望する価格を設定できる。

図3:映像を取引するためのマーケット「CETRA.LINK」の使い方

 映像は、Google DriveやDropboxにバックアップが取れる。全映像のほか、衝突や移動体を検知した映像だけをバックアップすることもできる。保存期間を1日から1年の間で設定できる。

 訪問介護や配達、ごみ収集、訪問営業など、複数の車両を扱う事業者の場合、CETRASをドライブレコーダーとして搭載すれば、帰庫したタイミングで自動的に映像をバックアップするようにすれば、車両の運行状態を一元管理できる。なおドラレコとして利用中もGoogle Mapのナビゲーション機能が利用できるため、カーナビとしても機能する。

 CETRAのスマホ用アプリは無料だが、システムとしての利用は有料になる。ただし、地方自治体や警察関係者には初年度無料で提供する。