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APIを組み合わせたWebサービスの構築支援サービス、富士通BSCが開始

DIGITAL X 編集部
2019年4月11日

WebサービスをさまざまなAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を組み合わせて構築するサービスを富士通BSCが2019年3月29日から提供している。構築後のWebサービスを継続的に改善するためのDevOps(開発と運用の統合)基盤も併せて提供する。2019年3月28日に発表した。

 富士通BSCが2019年3月29日に開始した「ファスト・ローンチ・サービス」は、B2C(企業対個人)やC2C(個人間)向けのWebサービスを構築するためのサービス。富士通BSCや各社が提供するAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を組み合わせて構築することで、開発量を圧縮しテスト工数を削減する。従来手法なら1年程度かかるサービスを3カ月程度で構築できるとしている。

 加えてサービス稼働後は、各APIのサブスクリプションモデルにより、利用量や利用期間に応じた課金で利用できる。

 ファスト・ローンチ・サービスでは、企業から要件を聞き、適用するAPIを決定したら、必要なAPIを組み合わせてクラウド環境上にサービスを構築する(図1)。サービス開始後も、継続的にサービスを改善できるようにDevOps(開発と運用の統合)基盤を提供する。テストの自動化や版数管理などによる仕様変更や機能追加などができるという。

図1:「ファスト・ローンチ・サービス」を利用したWebサービス構築の流れ

 サービスの構築・実行環境には、実績が高いクラウド基盤を利用する。具体的には、インフラ基盤としてはAWS(Amazon Web Services)や「ニフクラ mobile backend」(富士通クラウドテクノロジーズ製)を利用できる。DevOps基盤としては、米GitHubが提供するバージョン管理システム「Git」に対応したソフトウェア開発支援ツール「GitHub Enterprise」や、Dockerコンテナに対応したコンテナオーケストレーションサービス「Amazon ECS(Elastic Container Service)」を利用できる。

 すでに複数社がファスト・ローンチ・サービスの手法でサービスを構築・運用している。家電や美容グッズのシェアリングサービス「Alice.style」を開始したピーステックラボが、その1社。富士通BSCが提供する、出品・予約・コメント・評価などの機能を提供するAPIと、決済や配送などの外部APIを組み合わせた。電話やビデオ、チャットなど種々のコミュニケーション手段を手早く利用できるAPI提供サービス「Twilio」(米Twilio製、国内ではKDDIウェブコミュニケーションズが提供)も使用している(図2)。

図2:シェアリングサービス「Alice.style」は「ファスト・ローンチ・サービス」を使ってAPIを組み合わせて構築している

 なおファスト・ローンチ・サービスで利用できるAPIを富士通BSCは(1)管理系機能、(2)業務機能、(3)その他機能に分けている。管理系機能は、会員管理、SNS連携、プッシュ通知、データストアといったAPIで、ニフクラ mobile backendの利用を想定している。

 業務機能は、商品管理、出品管理、予約管理、通報管理、コメント管理、評価管理などのAPで、富士通BSCが提供する。その他機能は、本人認証、配送、決済などで外部APIを利用する。