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多品種少量生産にも対応する製造システムをIoTを使って構築するサービス、凸版印刷が自社ノウハウを元に提供

DIGITAL X 編集部
2019年4月24日

製造現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるためのシステム構築サービスを凸版印刷が2019年4月に提供を開始した。自社の種々の製造現場で開発してきたシステムやノウハウを基に、多品種少量生産を含めた製造現場の課題に対応する。2019年4月19日に発表した。

 凸版印刷が2019年4月に提供を始めた「NAVINECT」は、製造現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するシステム構築サービス。製造工程をデジタル化し、生産性や品質の向上と作業の効率化を図る。自身の製造拠点でデジタル化を進める中で開発したシステムやノウハウを活用する。

 NAVINECTが提供するアプリケーション群は、10のカテゴリーからなる。製造情報管理、ヒト作業効率化、帳票デジタル管理、在庫管理(QRコード/ICタグ)、トレーサビリティー、搬送ナビゲーション、品質保証、装置自動化、製造監視、可視化だ(図1)。

図1:「NAVINECT」が提供するアプリケーション群の10カテゴリー

 10カテゴリーのアプリケーション群から、利用企業の課題に合わせて個別もしくは組み合わせて提供する(図2)。デジタルに加え、設備や生産技術にも通じたエンジニアが、課題発見からデジタル化のロードマップの作成、システムの設計・開発、導入、運用、サポートまでに対応する。

図2:「NAVINECT」で提供するアプリケーション群の適用例

 多品種少量生産に取り組み製造工程の可視化にも対応できるとしている。凸版印刷のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)製品/サービスを使い、人や装置が発するデータを収集し、工程を管理する。管理情報は種々の端末上に可視化することで、製造現場におけるカイゼンのPDCA(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Act:改善)を高速かつ効果的に回せるようにする。

 セキュリティ面でも、凸版印刷が持つ機密情報管理技術を使い、安全なシステム構築と運用を可能にするとしている。

 NAVINECTで多品種少量生産に対応できるのは、凸版印刷自身の製造現場がオーダーメイド型であるからだとしている。情報系や生活・産業系、エレクトロニクス系など種々の業種からの注文を受け付けており、製造プロセスは複雑で統一できない。その製造現場での実践から開発したアプリケーション群とデジタル化のノウハウをNAVINECTに盛り込んでいるという。

 凸版印刷は、NAVINECTにより2021年度に関連事業含め150億円の売り上げを目標にする。今後は、企業間や消費者までを含むサプライチェーン全体のDXを対象にしたサービスも開発する計画だ。なお同社は、サプライチェーン全体のデジタル化を推進し顧客の事業変革を支援する事業を「T-DX(トッパン・デジタルトランスフォーメーション)」として展開している。