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IoTデータを可視化するスマホ用アプリの開発・実行サービス、ソフトバンク傘下のconect.plusが月額0円から提供

DIGITAL X 編集部
2019年5月9日

IoT(Internet of Things:モノのインターネット)で取得したデータを可視化するためのスマートフォン用アプリケーションの開発・実行サービスを、ソフトバンク子会社のconect.plusが提供している。これまでβ版で提供してきた仕組みを商用化した。conect.plusを2019年4月8日に設立し、同日に提供を開始した。

 conect.plusの「conect+」は、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)デバイスなどで取得したデータを可視化するためのスマートフォン用アプリケーションを開発・実行するためのクラウドサービス。温度や湿度、加速度といった情報をリアルタイムに表示したり、機器を制御したりするためのスマホアプリを作成できる。

 アプリケーションは、グラフやイラストによりデザインされた種々のウィジェット(スマートフォンやPCの画面に埋め込む小型のアプリケーション)を組み合わせて開発する(図1)。プログラミングやデザインの知識がなくてもアプリを開発でき、プレビュー機能により動作イメージを確認できる。API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を使えば、外部のシステムやサービスとの連携も可能だ。

図1:IoT機器からの情報を可視化するウィジェットを組み合わせてスマートフォン用アプリを作成できる

 可視化するデータはconect+のクラウドに蓄積する。IoTデバイスのスイッチが入ればメールで通知したり、異常が発生するとプッシュ通知で知らせたりができる。種々の情報を一覧できるダッシュボードでは、IoT機器の接続数やデータ利用数、請求情報などが確認できる。

 IoTデバイスをconect+に接続する方法は2種類ある。組み込みが可能な機器の場合はBLE(Bluetooth Low Energy)を利用できる。Linking仕様に準拠する。IoTキットやゲートウェイクラウドが既にあれば、Web APIを使用する(図2)。

図2:conect+のサービス構成と、IoT機器や外部システムとの接続

 conect+の利用プランには、無料の「FREE」から、月額9980円(税別)の「PREMIUM」までの4種類がある。FREEでは、1プロジェクト、1つのIoT機器を利用できるが、APIコール数は月間1万まで、データ容量は100MBまでで、利用できるウィジェットの種類に制限がある。

 PREMIUMでは、10プロジェクト、100のIoT機器を利用でき、APIコール数は月間100万まで、データ容量は100GBまでになる。初期費用は無料だ。いずれも通信費用や、IoT機器の代金/制作費が別途必要になる。

 conect+は、ソフトバンクグループの社内新規事業提案制度「ソフトバンクイノベンチャー」から生まれたサービス。新規事業を手掛けるSBイノベンチャーが2017年6月7日から2019年4月7日までベータ版のサービスとして提供してきた。これまでに400以上の法人や個人が利用しているという。

 今回、そうした法人や個人のIoTプロジェクトを支援するために、SBイノベンチャーが2019年4月8日に事業会社としてconect.plusを設立し、同日から商用サービスとしての提供を始めている。