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ビルやマンションの設備点検コストをIoTやAIで半減するサービス、日本ユニシスが提供

DIGITAL X 編集部
2019年5月10日

ビルやマンションの管理会社に向けて設備点検コストを半減できるサービスを日本ユニシスが開始した。設備を常時遠隔監視したり、点検報告書を自動で作成したりする。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)やAI(人工知能)、スマートグラスを利用する。2019年4月22日に発表した。

 日本ユニシスの「まるっと点検」は、ビルやマンションの管理会社に向けた設備点検サービス。現場の点検からオーナーへの報告・修繕提案までを対象にセンサーやAI(人工知能)、スマートグラスを使い、設備点検にかかる作業工数を削減する(図1)。OJT(オンザジョブトレーニング)を遠隔地から実施しての作業員の育成にも利用できる。

図1:ビル・マンション管理会社向け設備点検サービス「まるっと点検」の概要図

 まるっと点検は、(1)まるっと点検モニター、(2)まるっと点検リポーター、(3)まるっと点検コミュニケーターの3つのサービスからなっている。これらの組み合わせにより、定期点検の回数や、結果の確認・承認にかかる時間、故障時に出動する人数など、作業工数を50%以上削減できるという(図2)。

図2:「まるっと点検」導入前後の作業量などの比較例

 まるっと点検モニターでは、建物設備にセンサーを取り付け、設備の劣化状況を遠隔から監視し異常を検知し、故障時期を予測する。故障が発生する前にメンテナンス計画を立てることで修繕の効率化を図る。定期点検のための作業員が危険な現場に行く回数が減り、事故防止にもつながるほか、人による異常判定のバラツキも防げる。

 まるっと点検リポーターではタブレットを使い、点検結果を音声入力したり点検時の設備画像を登録したりし、報告書を自動で作成する。点検履歴データから、異常値やしきい値を超えた値を抽出することで管理者業務の精度向上と効率化を図る。開発中のスマートグラス版では、点検項目をスマートグラスに映し、ハンズフリーで作業できるようにする。

 まるっと点検コミュニケーターでは、スマートグラスを使い、現場の作業員が、遠隔地や事務所にいる管理者と映像や音声を共有できる。若手へのOJTに利用しての技術継承を支援する。遠隔地から的確な指示を出せば、実際に現地に行く作業者を減らせる。

 なお、まるっと点検サービスはクラウド型で提供する。米Microsoftのパブリッククラウドサービス「Microsoft Azure」をベースにしたIoTビジネスプラットフォーム上で稼働している。