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ネットで購入した生鮮食品を街中で受け取る「クックパッドマート」、受け取り場所や出品者を拡充へ

DIGITAL X 編集部
2019年5月13日

クックパッドが生鮮食品のEC(電子両取引)事業のサービス拡充に動いている。購入した商品を街中で受け取るための宅配ボックスの設置先を増やしたり、農産物や鮮魚などを直販する事業者などとの連携を図っている。2019年4月10日と同24日に発表した。

 クックパッドの「クックパッドマート」は、生鮮食品のEC(電子両取引)サービス。購入した商品は街中に設置されている生鮮品用の宅配ボックス「マートステーション」の中から最寄りのステーションを指定して受け取るのが特徴だ(写真1)。受注した商品を出店者から受け取るのとマートステーションに格納するための配送ルートを最適化することで、送料無料を実現している。

写真1:生鮮食品のEC(電子両取引)サービス「クックパッドマート」では商品を宅配ボックスで受け取る

 今回、商品を購入した顧客がスマートフォン用アプリケーションを使って解錠できるスマートロックを備えたマートステーションを開発すると同時に、このマートステーションを設置するオーナーの募集を開始した(写真2)。これまではクックパッドがドラッグストアやクリーニング店、カラオケボックスなどに設置を依頼してきた。オーナーを増やすことで利用者の利便性向上を図る。

写真2:スマートロック付き生鮮宅配ボックス「マートステーション」

 オーナーは、空き物件や空きスペースを持つ個人・法人を想定する(写真3)。設置や運用の費用負担はなくメンテナンスや管理も不要で、事業者であれば設置店舗への来店増などが期待でき、地域活性化にもつながるとする。オーナー募集Webサイトのほか、説明会も定期的に実施する。

写真3:クックパッドが想定する生鮮宅配ボックス「マートステーション」の設置場所の例

 一方、農産物や鮮魚などの直販を開始する。農産物直売所や卸売市場と連携し、生産者、あるいは、より生産者に近い販売店からの商品を販売する。

 今回新たに「農産物直売所 調布のやさい畑」と「川崎市地方卸売市場南部市場(愛称:川崎幸市場)」が参画した。調布のやさい畑は2019年4月16日から商品を販売。川崎幸市場は2019年5月上旬から販売する。今後も各地域の農産物直売所や卸売市場との連携を拡大することで、扱う食材の幅を広げたい考えだ。

 クックパッドは、料理レシピの投稿・検索サービスの大手。国内だけでなく海外でも同様のサービスを展開する。クックパッドマートは、それらレシピに沿って実際に調理するための良質な材料を提供するという同社の戦略事業の1つである。地域の生産者や販売者が販売する肉や魚、野菜、食パンや果物、チーズ、豆腐なども扱っている。