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ブロックチェーンを理解する経営者の割合が減少、ガートナー ジャパンの意識調査

DIGITAL X 編集部
2019年5月24日

ビジネス分野でのブロックチェーン市場は混迷しているものの将来への期待値は高い--。こんな状況が、ガートナー ジャパンの意識調査で分かった。ブロックチェーンを理解する経営層の割合が減る一方で、ITインフラマネージャーの6割以上がブロックチェーンでビジネスが変わるとみている。2019年4月11日に発表した。

  ガートナー ジャパンは2019年2月、従業員500人以上の企業でITインフラに関わるマネジャーを対象に「今後10年間にブロックチェーンが社会やビジネスに与える影響」について調査した。同調査の結果(有効回答数515件)によれば、ブロックチェーンを理解している経営層の割合は16.7%で、2018年2月時の27.8%から減少した。

 一方でITインフラ関連マネジャーの65%は、ブロックチェーンの将来に大きな期待を寄せていた。ブロックチェーンはいずれインターネットの出現に匹敵するインパクトをもたらす、あるいは配車サービスの「Uber」や民泊仲介の「Airbnb」のようにビジネスを変革するとみている(図1)。

図1:今後10年間にブロックチェーンが社会やビジネスに与える影響についての意識調査の回答結果(ガートナー日本法人調べ、2019年2月)

 今回の結果について、ガートナー のバイスプレジデントの鈴木 雅喜 アナリストは次のようにコメントしている。

 「企業のブロックチェーンの活用に向けては、技術的な課題と、ビジネスへの応用に伴う課題の両方が残っている。一方で、大きな成功事例や成功の方程式は、まだ明らかになっていない。ブロックチェーンの担当者は、技術の正確な理解に努めながらも、経営層に対して、ビジネス上のインパクトとリスク、将来への期待などに焦点を当てた分かりやすい説明をすべきだ」

 なおガートナーは2018年10月、ブロックチェーンについて「過度な期待の“ピーク期”を越え“幻滅期”へと坂を下りつつある」と発表している(図2)。ビジネス向けブロックチェーンを取り巻く環境はいまだ混沌としており、当初の期待ほどには取り組みが進んでいないとみている。

図2:ブロックチェーンは過度な期待のピーク期から幻滅期へ――。『日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2018年』(ガートナー)より