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エッジ領域でのAI活用に向けてプラットフォーム、米NVIDIAが投入
エッジ領域でAI(人工知能)を利用するためのプラットフォームを米NVIDIAが市場に投入する。画像認識や音声認識などのAI処理をエッジ側で実行することで、よりリアルタイムな処理や、クラウドへ送信するデータ量の低減などを可能にする。2019年5月27日(台湾時間)に発表した。
米NVIDIAが投入するエッジ用プラットフォームは「NVIDIA EGX」。ハードウェアのほか、アプリケーションの可搬性を高めるコンテナ技術を採用したAIフレームワークなどからなる。
ハードウェアは、組み込み用途からフルラックのサーバーまでを用意する(図1)。組み込み用は、消費電力が数ワットで画像認識などを0.5TOPS(Trillion Operations Per Second:毎秒1兆回の演算)で処理する「NVIDIA Jetson Nano」。フルラックのサーバーは、1万TOPSの演算能力を持ち音声認識などをリアルタイムに処理できる「NVIDIA T4」だ。
エンタープライズ向けソフトウェアとして、コンテナ対応のAIフレームワークとアプリケーションからなる「NVIDIA Edge Stack」を用意する(図2)。コンテナ対応では、米Red Hatが提供するコンテナ対応プラットフォーム「OpenShift」と統合することで最適化を図ったとしている。
コンテナへの対応により、ハイブリッド/マルチクラウドとの連携が容易になる。クラウド上で開発したAIアプリケーションはEGX上で動作させたり、EGX側で開発したAIアプリケーションをクラウド側で動作させたりができる。
AWSの「IoT Greengrass」やMicrosoftの「Azure IoT Edge」とNVIDIA Edge Stackを連携し、それらのクラウド側のIoTサービスから自社サービスを遠隔管理することも可能だ。
またEGXをオンプレミス環境で運用するための「AI Cloud-in-a-Box」も用意する。NVIDIAが買収したMellanox Technologiesや、米Cisco Systemsの高速接続技術やセキュリティ、ストレージの技術を組み合わせて実現している。
EGXを搭載したサーバー製品やIoTシステムは、NVIDIAの40以上あるパートナー企業から提供される。