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小売業向けデジタル技術の実証実験の“場”に自社店舗と実データをクレストが無償提供

DIGITAL X 編集部
2019年5月31日

小売業向けのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)技術などを保有する企業に対し、実証実験のための“場”として、商業ディスプレイなどを手掛けるクレストが自社で展開する小売店舗を無償で提供する。設置済みのカメラ画像などの実データも提供する。2019年5月29日から利用企業を募集している。同日に発表した。

 クレストは商業ディスプレイ事業のほか、小売業向けのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムなどの開発・販売、さらに植物とファッション、雑貨などを併売する小売事業「IN NATURAL」を展開している(写真1)。

写真1:実証実験の“場”として無償提供する「IN NATURAL」の店舗外観

 今回、IN NATURALの全7店舗のうち5店舗を、小売業のデジタル化のための技術や製品を持つ企業に対し、実証実験のための“場”として無償で提供する。利用企業は、自社WebサイトなどとIN NATURALの実店舗に、各種センサーやトラッカー、カメラなどを設置し、データの取得から売り上げへの貢献などを実験できる。

 店舗に設置済みのトラッキングシステム「esasy Camera(エサシーカメラ)」(クレスト製)で取得したデータも無償で提供する。店舗前の交通量や入店量、マネキンや陳列エリアなどの視認量、年齢や性別の推定情報、来店人数といったデータを取得しており、戦略や投資効果のデータによる計測・評価に利用できる(図1)。POSレジのデータも有償で提供する予定だ。

図1:クレストの「esasy Camera」は店舗の種々のデータを測定・評価できる

 実験では、実店舗へのデジタル技術の実装経験があるクレストのスタッフが、運営改善サポートを提供する。技術開発の方向性などがクレストと合致すれば、投資先候補としての支援も提供する。

 実店舗を利用できる企業の条件は、リテールテックにまつわる技術を保有もしくは投資先企業・関連企業として抱えている企業。企業規模やジャンルは問わない。2019年5月29日から同6月24日まで募集し、同6月25日から順次実験を開始する。