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企画や開発などのアイデア出しを“博報堂流”で支援するクラウドサービス、TISが提供

DIGITAL X 編集部
2019年6月26日

発想を支援するクラウドサービスが登場した。ITサービス大手のTISが広告代理店大手の博報堂と共同開発したもので、2019年7月1日から正式版を発売する。広告代理店ならではの発想法や打ち合わせのノウハウをAI(人工知能)技術で再現することで、企業の企画やアイデア出しを支援するという。2019年6月3日に発表した。

 TISの「AIブレストスパーク」は、企画や開発などにおけるアイデア出し段階での効率を高めるクラウドサービス。アイデアやコンセプトのきっかけとなる単語やフレーズを生成する。共同開発した博報堂の発想支援メソッドを元に、AI(人工知能)技術を使って発想法や打ち合わせのノウハウを再現したとしている。

 博報堂の発想支援メソッドは、同社の打ち合わせ現場で実践されているコツを抽出したもの。「拡散と混沌なくして、跳躍なし」という同社の鉄則を基に、アイデアを拡散することで、新しい価値を発見したり、従来の延長線上にないような答えにたどり着いたりをうながすという。

 具体的には、人間では列挙できないほどに大量のヒントを提供することで、アイデアの拡散を図り、俯瞰情報や予想外の単語を組み合わせることで、発想力や創造力が高まるように支援する。

 AIブレストスパークは、5つの機能を持つ。(1)ひらめきマップ、(2)ブレストアイデア、(3)ノート、(4)他人の“アタマ”で考える、(5)連続刺激モードである(図1)。

図1:「AIブレストスパーク」のメイン画面。四角囲み数字の1が「ひらめきマップ」、2が「ブレストアイデア」、3が「ノート」、4が「他人の“アタマ”で考える」

 ひらめきマップでは、アイデアやコンセプトのきっかけとなるキーワードを入力すると、共起する関連語をインターネット上から収集して組み合わせ、新たな切り口や視点として提示する。市場や消費者に関する情報・ヒントを大量に提供できる。気になる単語やフレーズに大量に触れることで、ひらめきをうながせるとしている。

 ブレストアイデアでは、ひらめきマップやテンプレートにある言葉と言葉をランダムに結合し、新しい概念を生成する。予想外の切り口の言葉に触れることで、それまでの思考の枠から外れた発想ができ、新しい価値に着目できるという。

 ノートは、気になる言葉やブレインストーミングによるアイデアを、ドラッグ操作で保存する機能。思いつきをテキストとして書き留められる。それらの言葉を、画面上で分類・俯瞰することで、自身の指向や偏りに気付け、それ以外のアイデアを考えるきっかけを与えられるとしている。

 「他人の“アタマ”で考える」は、たとえば「作詞家アタマ」「女子高生アタマ」「ビジネスアタマ」「社会課題アタマ」など、あるペルソナの考え方を借りる機能。自身とは異なる着眼点から、商品/サービスのメリットや存在意義を発見できるようになるという。

 連続刺激モードでは、アイデアの単語やフレーズを1行ずつ画面いっぱいに連続して表示することで発想を刺激する。直観的な判断を求めることで、発想の飛躍を触発できるとしている。

 今後も機能を拡張するほか、スマートフォン用アプリケーションの提供や、スマートスピーカーとの連動などを図っていく。

 AIブレストスパークは、2019年6月30日まではオープンβ版として無償提供し、2019年7月1日から正式版を提供する。料金は1ユーザー当たりの基本料金が月額7500円(税別)を予定する。なお「他人の“アタマ”で考える」と「連続刺激モード」は7月中に実装の予定だ。