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auユーザーの位置情報などに基づく動態データや分析ツール、KDDIが提供
auのスマートフォンの利用者から取得した位置情報ビッグデータなどを活用した人口動態データやインバウンド(訪日外国人)動態データを、KDDIが2019年7月下旬から順次提供を開始する。各種データを提供する「KDDI IoTクラウド Data Market」に追加する。併せてセルフ分析ツールや分析レポートサービスも提供する。2019年6月24日に発表した。
KDDIが今回、「KDDI IoTクラウド Data Market」に追加するのは、(1)「au人口動態データ」、(2)「Wi2インバウンド動態データ」、(3)「Location Analyzer」、(4)「Location Trends」の4つ(図1)。Location AnalyzerとLocation Trendsは、分析するためのツールだ。
KDDI IoTクラウド Data Marketは、企業が自社で保有するIoT(Internet of Things:モノのインターネット)データなどを分析する際に、組み合わせられる外部データなどを提供するポータルサイト。自社での取得が難しいデータを組み合わせることで、新たな課題やビジネスチャンスの発見、サービスの品質向上など、より付加価値が高い分析が可能になるとしている。
au人口動態データは、auスマートフォンのユーザーから同意を得た上でKDDIが取得し、誰の情報かがわからない形式に加工した位置情報と属性(性別・年齢層)情報から生成するデータ。特定エリアや時刻ごとの人口や人の流れを把握できる。
人口動態データには、(1)移動滞在、(2)準リアルタイム(1時間ごとの位置情報統計データ)、(3)未来予測の3つのデータメニューがある。過去・現在・未来の3つの軸でデータを活用できるとする(図2)。
たとえば、移動滞在データを店舗の売り上げデータを組み合わせれば、新規店舗の出店検討に活用できる。準リアルタイムデータでは人口の集中箇所を把握できるため、災害時の意思決定精度の向上と迅速化が図れる。未来予測データは、イベント情報などと組み合わせることで、より確実な対象エリアの配車需要予測が可能となるという。
Wi2インバウンド動態データは、Wi-Fiサービスなどを手がけるワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)が、訪日外国人向けスマートフォンアプリ「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」においてユーザーの同意の下で取得し、匿名化した位置情報と属性(国籍・言語)情報から生成するデータだ。
活用例としては、たとえば旅行代理店が、国内外からの観光客別に「意外な人気観光地」を発見したり、新たな観光ツアーの立案に利用したりを挙げる。
Location Analyzerは、商圏や推定来訪者などをセルフで分析するためのGIS(地理情報システム)ツール。125mメッシュ単位の「エリアの分析」から10mメッシュ単位での「来訪者の分析」などを可視化する。たとえば、新規店舗出店時の立地検討や、開店後の店舗需要の把握、販促エリアの最適化の検討などに利用できる。
Location Trendsは、観光動態調査や人流動態調査により観光振興や交通計画などに活用するための分析レポートサービス。データ分析とコンサルティングにより、課題発見から解決の方向性までを提案する。たとえば地方自治体における観光動態調査を実施し、観光課題やニーズの抽出および観光振興施策の計画立案を支援する。
au人口動態データは2019年8月下旬から、それ以外の3つのサービスは2019年7月下旬から、それぞれ提供する。