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銀行API使う新サービスがテーマのコンテスト、iBankマーケティングが開催

「Wallet “+” Bank “×”APIs = neoBank’s Services !」より

水野 智之(X-Techライター)
2019年7月24日

残高照会や目的別預金などができるスマートフォン専用アプリケーション「Wallet+(ウォレットプラス)」を開発・提供するiBankマーケティングが、銀行API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)の活用を促すためのピッチコンテスト「Wallet “+”(プラス) Bank “×”(バイ)APIs = neoBank’s Services !」を東京・八重洲で2019年7月11日に開催した。Fintechベンチャーなど6社が登壇し、AIを使った保険商品プログラムを提案したリマークジャパンが最優秀賞に選ばれた。

写真1:ピッチ登壇者と審査員。前列左から2番目が最優秀賞を受賞したリマークジャパンの裴 崗(ペイ ガン)氏、前列右端が優秀賞を受賞した電算システム 先端技術開発センター所長の園部 哲也 氏

 iBankマーケティングは、ふくおかフィナンシャルグループのデジタル戦略を実現するためのFintechベンチャー企業。スマートフォン用アプリケーション「Wallet+(ウォレットプラス)」を開発・提供している。

 Wallet+は、銀行口座の収支確認や、利用目的を設定した預金などを可能にするスマホアプリだ。福岡銀行、沖縄銀行、熊本銀行、親和銀行、広島銀行が利用しているほか、十六銀行、南都銀行、山梨中央銀行も採用を決めている。

Wallet+が提供する銀行APIの戦略的な利用を考える

 今回、ふくおかフィナンシャルグループのオープンイノベーション拠点である「DIAGONAL RUN TOKYO(ダイアゴナルラン・トーキョー)」において、「Wallet “+” Bank “×”APIs = neoBank’s Services !」を開催した(ふくおかフィナンシャルグループ、沖縄銀行、十六銀行、南都銀行、広島銀行、山梨中央銀行との共催)。

 テーマは、「より便利に日常生活を送り、ライフイベントを楽しむために必要な銀行API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を使ったサービスアイデアの発案」だ。

 銀行APIは、銀行と外部事業者の間で安全なデータ連携を可能にするための仕組み。事業者は銀行APIを介して、銀行が提供するサービスを利用したり、新たなサービスを開発したりできる。

 イベント開催の狙いについて、iBankマーケティング代表取締役の永吉 健一 氏は「銀行APIの公開・利用が広がっているが、金融データを参照する用途に留まっている。銀行APIだけでなく、どんな使い方ができるかを広く伝える必要がある」を話す(写真2)。

写真2:iBankマーケティング 代表取締役の永吉 健一 氏

 コンテストでは、Wallet+が提供するAPIを使って、新たな金融関連サービスのアイデアを競う。Wallet+が提供するAPIは、表1のように大きく6つのカテゴリーに分けられる。

表1:Wallet+が提供するAPI
カテゴリー提供するAPI
金融データの参照機能を持つAPI・口座一覧照会
・普通預金口座一覧照会
・口座情報照会
・入出金明細照会
・デビット入出金明細照会
・入出金明細照会(前月収支結果集計用)
獲得ポイントの交換機能を持つAPI・総合振込(予約)
・総合振込(結果照会)
資金の振替機能を持つAPI・資金振替(目的預金やローン口座と普通預金間の資金移動に利用)
少額のローン機能を持つAPI・カードローン借入
・カードローン随時返済
・カードローン残高照会
・カードローン有無照会
目的預金の新規開設機能を持つAPI・目的預金口座開設
・目的預金解約(予約)
ロボアドバイザーによる資産運用口座への振込機能を持つAPI・行内振込