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IoTデータのエッジ処理に対応した分析用ツール群、SAS Institute Japanが発売

DIGITAL X 編集部
2019年8月2日

IoT(Internet of Things:モノのインターネット)データを対象にした分析ツール群の新版を米SAS Instituteの日本法人がリリースした。エッジ領域でのリアルタイムで分析や、AI(人工知能)による分析などを強化した。2019年7月31日に発表した。

 SAS Institute Japanがリリースした「SAS Analytics for IoT 7.1」は、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)データを分析するためのツール群の最新版。センサーなどのストリーミングデータを含むデータ分析ができる。

 新版では、データの発生源に近いエッジ領域からデータを直接収集し、ストリーミングデータをリアルタイムに分析する機能や、AI(人工知能)技術の適用範囲を拡張している。これらにより、これまで人に頼ってきた判断をAIで代替し、人材不足への対処や新サービスの構築などに利用できるとする。ストリーミングデータの活用例として、SAS Institute Japanは、次の3つを挙げている。

(1)製造工程において、製品ロットや各種の環境条件に応じた工程設備の運転方法を判断・調整して最適値を算出し、熟練工のような安定した工程運用と品質の維持を支援する
(2)ショッピングモールにおいて、顧客の購買行動履歴を基に、来店時の購買行動状況に応じて、スマートフォン用アプリケーションに適切なオファーを提供し、顧客満足度を高める
(3)同業他社の売り値をリアルタイムに収集しながら、顧客の来店状況や店舗内の在庫、当月の売り上げ目標を踏まえて動的に値付けすることで、店舗の利益率の最大化を図る

 最新版で追加されたのは(1)「SAS Event Stream Processing for Edge」、(2)エッジ・コンピューティング管理の「同Event Stream Manager」、(3)予測モデル開発の「同Visual Forecasting」、(4)AIモデリングの「同Visual Data Mining and Machine Learning」、(5)モデルの精度を管理する「同Model Manager」、(6)意思決定を自動化する「同Intelligent Decisioning」の各ソフトウェア。

 Event Stream Processing for EdgeとEvent Stream Managerにより、エッジ領域からのストリーミングデータをリアルタイムに処理できるようにした。異常値判定や、状態監視、早期の劣化診断、周波数解析などを可能にする。状態の異常や不正などの診断アルゴリズムを高度化できる。Event Stream Processingには、音声認識処理や、機械学習やディープラーニングによる予測処理機能を拡張した。

 Visual Data Mining and Machine LearningとModel Managerにより、機械学習やディープラーニングの予測モデル開発と、開発した予測モデルのストリーミングデータへの適用、予測モデルの精度の変化に伴うモデルの変更や再学習など、モデルのライフサイクル管理を可能にした。