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データ資産の価値を財務的に評価しているCDOは8%、米ガートナーの意識調査

DIGITAL X 編集部
2019年8月9日

自社のデータ資産の価値を財務的に評価している最高データ責任者 (CDO)は8%にとどまる--。こんな状況が米ガートナーが実施したCDOへの意識調査で分かった。ガートナージャパンが2019年7月18日に発表した。

 米調査会社のガートナーは、世界の最高データ責任者(CDO:Chief Data Officer)や最高アナリティクス責任者(CAO:Chief Analytics Officer)などを対象に『CDOサーベイ』を実施している。4回目となる今回は、2018年9~12月にかけて257人のCDO/CAOを対象に実施し、255件の有効回答を得た。

 同サーベイによれば、「自社の情報やデータ資産の価値をどの程度客観的に評価・測定しているか」という問に対し、「財務的に測定している」としたCDO/CAOは8%にとどまった。

 「ビジネス・プロセスに対する情報やデータ資産の主な影響を、KPIを設定して測定している」と回答したCDO/CAOは29%、「正確性、完全性、規模、活用状況など、データ品質に関する何らかの指標を設定している」と回答したCDO/CAOは45%だった。「客観的に測定していない」との回答も19%あった。

 データアナリティクスの基本的要素である「企業情報管理」「ビジネス・インテリジェンス(BI)/アナリティクス」「マスターデータ管理(MDM)」の成熟度について聞いたところ、5段階でレベル3以上の成熟度だと回答した割合は、BI/アナリティクスが75%、企業情報管理が66%、MDMは50%だった。MDMの成熟度に関する自己評価が相対的に低い。

 データアナリティクス・チームに対するビジネス上の期待については、「データの品質、信頼性、アクセス性の改善」が55%でトップ(図1)。「分析に基づく意思決定の促進」「ビジネス変革または製品変革の推進」が続く。

図1:データとアナリティクスのチームに対するビジネス上の期待事項(3つまでの複数回答、1~3位を集計して抜粋)

 回答したCDO/CAOの多くが、機械学習(ML)と人工知能(AI)を重要視している。MLは76%、AIは67%が重視しているとした。MLを活用中/試験的に活用中とした割合は65%、AIを活用中/試験的に活用中とした割合は53%だった。

 こうした結果について、ガートナーのディスティングイッシュト バイス プレジデントのDebra Logan氏は、「組織のパフォーマンスが競合他社よりも優れているとするCDO/CAOは、MLを活用して売り上げを拡大し、優秀な人材を獲得・定着させ、顧客やビジネスのニーズを読み取った付加価値を製品/サービスに与えている傾向がある」とコメントする。

 シニア プリンシパルの一志 達也氏は「企業情報管理やBI/アナリティクスと比べ、MDMの成熟度はまだ低い。MDMの成熟度が高い組織は効率化やビジネス成果を実現しており、日本においても、MDMの成熟度が高まることが期待される」としている。

 さらに一志氏は「日本では、専任のCDOを擁する組織はわずか1%。データ活用したければ、ビジョンや目標を定め、データ活用の役割と責任を持つ組織を設立し、CDOに相当するポジションを設置することを推奨する」としている。