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デジタル化を推進する専門組織の設置率は3割、PwC Strategy&が調査
デジタル化を推進するために専門組織を置く日本企業は約3割--。こんな状況が、英PwCの日本法人群にあって戦略コンサルティングを担当するPwC Strategy&の調査で分かった。専門組織を置く企業は人材や予算など環境条件の充足度が高いことも明らかになった。発表は、2019年4月17日。
PwC Strategy&が実施したのは『日本企業のデジタル化の成功に向けて:2018年Chief Digital Officer(最高デジタル責任者、以下CDO)調査』。ここでの「デジタル化」とは、デジタルによる事業環境や消費者・顧客のマインド、行動の変化に企業が対応するための変革活動である。
調査は、日本企業に属する3781人をスクリーニング調査したうえで、そこから従業員数500人以上で「自社はデジタル化を推進している」と回答した部長職以上400人に質問した。
調査の結果、デジタル化を推進するための専門組織を持つ企業は28%で、2016年の22%から6ポイント増えた。一方で、別部門がデジタル化の推進を兼務している企業が大半であり、特に情報システム部門がデジタル化推進を兼務するケースが55%に上る(図1)。
専門組織を置く企業は、ない企業と比べ、経営層の支持やリソース(人材や予算)、ITインフラ、機能部門間の協業といった環境条件全般に対する充足度が高い(図2)。「専門組織を作ることが環境の充足度向上に効果がある」とPwC Strategy&は推測している。
PwC Strategy&はグローバルでも同様の調査を実施している。世界全体では、CDOを設置する企業の割合は、2016年の19%から2018年は21%に伸びた。日本でも7%から9%に伸びているが、世界的な水準に比べれば依然として低い。アジア太平洋地域に限れば、CDOを置く企業の割合が高いのは、オーストラリア、マレーシア、インド、タイの順で、日本は5位である(図3)。
グローバル調査は、米Bloombergのデータに基づき、2018年3月31日時点で全世界の時価総額トップ2500社を対象にCDOの有無やバックグラウンドなどを分析したもの。CDOの有無では、企業役員データベース(米Thomson Reutersのデータベースや「BoardEx」)や、各社のWebサイト、ビジネス向けSNSの「LinkedIn」と「Xing」、プレスデータベース「Factiva」を利用しながら、インターネットで調査している。