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HACCPに対応した食品の温湿度をIoTで管理するサービス、センスウェイが提供

DIGITAL X 編集部
2019年8月30日

食品の製造/販売事業者などが、食品衛生管理規格「HACCP」に沿って食品の温度や湿度を管理するためのサービスを、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)関連事業を手がけるセンスウェイが2019年9月2日から提供する。複数の冷蔵庫や冷凍庫の温湿度を遠隔地のPCやスマートフォンから参照できる。2019年8月27日に発表した。

 センスウェイが2019年9月2日に開始する「サーマルコネクト」は、食品や飲料の製造/販売事業者あるいは給食/食堂事業者などが、食品衛生管理の国際規格「HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:ハサップ)」に沿って食品の温度や湿度を管理するためのサービス。冷蔵庫や冷凍庫など食品保管場所の温湿度のデータを継続的に収集し管理する。

 HACCPは、食品製造における安全衛生管理の国際規格。事業者自らが原材料の入荷から製品の出荷までの製造プロセス全体を対象に、予測される危害要因を分析して重要管理点を定め、それを管理・記録する。日本では、改正食品衛生法により2020年6月から原則、すべての食品製造/販売事業者などがHACCPに沿うことが義務付けられる。

 サーマルコネクトでは、庫内の温湿度は、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)センサーで測定し、測定データを無線通信でクラウドに送り一元管理する。データは、専用アプリケーションを使って遠隔からリアルタイムに確認できる(図1)。

図1:「サーマルコネクト」による冷蔵庫や冷凍庫の温湿度データの流れ

 クラウド上での温湿度の管理には、三和通信工業が開発した「KOKOCHI」を使用している。管理しているデータは専用アプリを使って参照する(図2)。PCのほか、スマートフォンやタブレットからも複数の冷蔵庫/冷凍庫の温湿度を一覧表示できる。温湿度の異常値を検出すると、アラートをメールでPCやスマートフォンに送る。データをCSV形式で出力すれば報告書の作成などにも使える。

図2:専用アプリケーションを使って複数の冷蔵庫/冷凍庫の温湿度データを一覧表示する

 温度センサーの「R718A」(台湾NETVOX製)は、配線なしでマグネットで設置でき、庫内の温湿度を15分間隔で計測する。省電力の広域無線通信技術「LPWA(Low Power Wide Area)」の規格の1つ「LoRaWAN」に対応し、バッテリーで約5年稼働するという。室内用基地局に接続できるセンサーの台数に制限はない。

 サーマルコネクトの利用料は、初期費用は無料で、月額基本料が専用アプリのアカウントが1つと通信費、室内用基地局1台を含め9800円。温湿度センサーのレンタル料金は月額980円。室内用基地局の追加は月額3400円で、最低利用期間は12カ月である。