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QRコード使うレジなし店舗の出店支援サービス、NTTデータが開始

DIGITAL X 編集部
2019年9月4日

小売業が決済用レジを置かない店舗を出店するための支援サービスをNTTデータが開始した。QRコードを使って顧客を入店時に認証することで、レジでの支払い操作を不要にする。2019年9月2日に発表した。

 NTTデータの「レジ無しデジタル店舗出店サービス」は、レジでの決算処理を必要としない店舗の出店・運営を支援するもの。消費者に対し、レジに並ばずに支払いが完了することで、会計時のストレス軽減やクーポンの自動適用による利便性の向上を提供できる(写真1)。

写真1:NTTデータが用意するレジなし店舗の実験施設

 店舗側にすれば、レジ業務が不要になることで、人件費削減や、従業員の確保、長時間労働の是正などが期待できる。レジでの待ち時間解消により消費者の購買機会が増え、収益の拡大も期待できるという。

 レジなしにするため、決済手段を指定したQRコードを入店時に読み取り顧客を認証する。店内では、カメラなどを使って顧客が手に取った商品を認識・確定し、そのまま持ち帰られるようにする(図1)。そのためNTTデータは、中国のCloudPickと業務提携した。CloudPickは、カメラや重量センサーで取得したデータの解析に強みをもつという。

図1:NTTデータが提供するレジなし店舗での決済の流れ

 出店サービスは、3段階で提供する。第1段階は、ビジネスプランの仮説の作成。NTTデータが都内に設置した実験店舗を使って、導入予定企業と共同で、レジなし店舗の体験と課題の洗い出しを実施する。

 第2段階では、導入予定企業によるレジなし店舗の仮説検証。企業が実際にレジなし店舗を出店し、NTTデータが検証を支援する。

 第3段階は、多店舗展開のための企画・設計のコンサルティングやシステムサポートの提供。レジなし店舗のビジネス拡大を長期的に支援する。

 小売業界では人手不足や人件費の高騰、従業員の長時間労働などが深刻化し、実店舗の維持が難しくなってきている。消費者は、スマートフォンなどを使った購買体験を求める傾向が高まっており、海外ではレジでの決済が不要な店舗が登場してきている。

 NTTデータは今後、同社が提供する決済総合基盤「CAFIS」と連携し、決済手段やデバイスなどの多様化を図るほか、同社のオープンイノベーション活動である「豊洲の港から」などに参加するベンチャー企業と協力し、店舗のデジタル化に向けた新機能を順次拡充していく予定である。

 小売業におけるレジなし店舗数を2022年度末までに1000店舗にする目標を掲げている。